人間はストレスなど、痛みが発生するとそれから身を守ろうとして交感神経が緊張します。 交感神経の長時間の緊張は、組織の血流低下を起こし、組織への酸素供給が不足し、血流低下など痛みの悪循環が形成され、組織の損傷に至ります。
ペイン（Pain）とは英語で「痛み」を意味します。誰しもが感じたことのある痛みというものは、 様々な要因から発生すると言われており私たちの生活の質(Quality of life)を低下させる原因となります。
ストレス時代の現代において、ペインクリニックは痛みの治療だけではなく交感神経の緊張を和らげ、心を含めた全人的な治療を可能とする医療です。 患者様一人一人の身心的状況やライフスタイルを考え、QOLの維持と向上を目標に痛み治療をご提案させていただきます。

神経ブロック注射は、痛みのある部分に局所麻酔薬、ステロイドなどを注射し神経を落ち着かせることができます。 神経や神経の周りで起きている炎症や興奮、痛みの伝導や自律神経の交感神経の興奮を遮断できるので痛みを抑えることができる治療です。
神経ブロックにより交感神経が遮断されると血管が拡張し、血流が良くなり炎症物質が洗い流され、傷ついた組織の修復が促進されます。 全身の痛みに対応可能であり、顔・首・肩・腰・膝・手足の痛みや帯状疱疹の痛み、突発性難聴、顔面神経麻痺などにも有効な治療法です。

関節内注射は、人の体にもともと存在するヒアルロン酸と同じ成分を関節内に注入するため、副作用がほとんどなく関節の動きを円滑にさせる効果があり、 安全で長期に安心して使用することができます。関節が滑らかとなり可動領域が広がり、関節軟骨が修復されるといったことも期待できます。
初期の痛みや症状の軽いうちに行うことで大きな効果が期待できます。 また、炎症を抑制する働きもあり関節の動きを円滑にさせることで症状が進行していても効果的です。
関節内注射は「形性膝関節症」「肩関節周囲炎」「五十肩」「関節リウマチ」によく用いられる治療です。

筋膜リリース注射は、痛みの原因となる筋膜組織の間に薬剤を注入することで痛みを根本から改善する治療法です。 この治療法は以前より「トリガーポイント注射」と言われており、近年では「筋膜リリース注射」または「ハイドロリリース注射」と呼ばれています。
筋肉を包む組織である筋膜同士の癒着を剥がすことで痛みを解消するために効果的とされています。
また、局所注射の場合は薬剤の効果がなくなれば症状が再び戻りますが筋膜リリース注射では原因になっている癒着が解消できるため、 根本的な痛みの改善となり効果は比較的長続きされると期待されています。

汗をかくことは体温調節のための機能ですが、何らかの原因により必要以上に汗が分泌されることを「多汗症」と呼んでいます。
多汗症にも種類があり、全身に発汗する「全身多汗症」と手掌、足底、脇、顔など身体の一部だけ発汗する「局所多汗症」があります。 このような「温熱性発汗」と、ストレスや極度の緊張により自律神経の交感神経の緊張に伴って生じる「精神性発汗」は洋服に困ってしまったり、 相手に不快な思いをさせてしまうなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
当院では内服薬、外用薬、ボットクス治療があります。医師の診察により「重度の原発性腋窩多汗症」と診断された場合は保険適応で治療を受けることができます。