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甲状腺の腫れの見分け方とは?甲状腺の腫れに関する病気も解説

「甲状腺が腫れてきた」

「甲状腺の腫れを見分ける方法は?」

このようなお悩みがある方に、甲状腺の腫れの見分け方を解説します。甲状腺の腫れに関する病気も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

甲状腺の腫れとは

まずは甲状腺の腫れについて、基本的な内容を解説します。

甲状腺の基本構造と機能

甲状腺は、首の前面、気管のすぐ下に位置する内分泌腺で、ヨウ素を含む甲状腺ホルモンを生成する箇所です。このホルモンは新陳代謝を促進し、成長やエネルギー代謝に重要な役割を果たしています​​。

通常、甲状腺は外からは触れないほど柔らかく小さいですが、何らかの原因で腫れる場合があります。

参考:環境省「甲状腺について」

甲状腺が腫れる原因

甲状腺が腫れる原因は多岐にわたり、炎症、自己免疫疾患、ヨウ素の不足、腫瘍などが挙げられます。結節性甲状腺腫では、甲状腺の一部が腫れてしこりのようになります。

びまん性甲状腺腫では、甲状腺全体が均一に腫れます。これらの腫れは、橋本病やバセドウ病といった特定の甲状腺疾患の徴候となることがあります​​​​​​。

参考:全国健康保険協会「甲状腺疾患」

甲状腺の腫れを自分で見分ける方法

甲状腺の腫れを自分で見分ける方法をご紹介します。

視覚的な変化と触診による確認

甲状腺の腫れは、しばしば首の前面の視覚的な変化によって初めて気づかれます。鏡を使って首の輪郭をチェックし、左右の均等性や腫れ、突起がないかを確認します。

首を軽く傾けながら、甲状腺部分(喉のすぐ下)をゆっくりと触診して、硬さやしこり、痛みがないかを確認します。

このとき、軽い圧力を加えることで、腫れやしこりの有無をより確実に判別できます。しかし、自己診断には限界があり、特に痛みや不快感が伴う場合は専門医の診察を受けることが重要です。

参考:日本臨床外科学会「甲状腺がん検査の流れ」

専門医に相談するタイミング

甲状腺の腫れは個人差があり、症状の出方には人それぞれです。自己診断では見逃しや誤診の可能性があるため、確実な診断のためには専門医の診察が必要です。

声のかすれ、嚥下障害、呼吸の苦しさなどの症状がある場合、また腫れが長期間続く場合は、甲状腺機能の異常や病的な腫れの可能性があります。

これらの症状はバセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の疑いも考えられるでしょう。また、定期的な健康診断で甲状腺の状態をチェックすることも、早期発見と治療のために非常に重要です。

参考:岐阜赤十字病院「甲状腺Q&A」

甲状腺の腫れに関係する病気

ここからは、甲状腺の腫れと関係がある病気について、詳しく解説していきます。

結節性甲状腺腫とびまん性甲状腺腫の違い

結節性甲状腺腫は、甲状腺の一部が腫れてしこりを形成する状態で、多くの場合、良性ですが、甲状腺がんの可能性もゼロではありません。これに対し、びまん性甲状腺腫は甲状腺全体が均一に腫れる状態を指し、自己免疫疾患が原因であることが多いです。

これらの状態は外見上の違いにより区別できることがありますが、確定診断には医療機関での詳細な検査が必要です​​​​。

参考:徳島県医師会「結節性甲状腺腫」

参考:甲状腺腫

参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「首の腫れが心配.ひょっとして甲状腺の病気かも?」

橋本病やバセドウ病などの一般的な疾患

橋本病は甲状腺ホルモンの低下を引き起こす自己免疫疾患で、症状としては疲労感、体重増加、寒がりなどが現れます。これに対し、バセドウ病は甲状腺ホルモンの過剰生産が特徴で、動悸、不眠、体重減少などの症状が見られます。

橋本病やバセドウ病は特有の症状を伴うことがありますが、症状が軽微な場合や初期段階では、自覚症状がないこともあります。そのため、定期的な健康診断や甲状腺機能検査が重要です。

また、これらの疾患は適切な治療を行うことで症状の改善が可能です。橋本病では甲状腺ホルモン補充療法、バセドウ病では甲状腺ホルモンの分泌を抑制する薬物治療が一般的です。治療方法は症状の程度や個々の健康状態によって異なるため、専門医と相談の上で決定されます​​。

参考:厚生労働省「甲状腺機能低下症」

参考:日本甲状腺学会「バセドウ病治療ガイドライン2019」

日常生活における甲状腺の健康管理方法

甲状腺の腫れなどが起きないように、日常生活では健康管理に留意したいところです。日常成果における健康管理方法などについて解説します。

食生活や生活習慣における注意点

甲状腺の健康を維持するには、バランスの取れた食生活が重要です。甲状腺ホルモンの生成に欠かせないヨウ素は、海藻や魚介類に豊富に含まれています。

しかし、ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能に悪影響を及ぼすことがありますので、適量の摂取を心がけてください。加えて、禁煙や適度な飲酒は、甲状腺の健康を保つ上で有効な手段です。喫煙は甲状腺疾患のリスクを高めることが知られています。

参考:独立行政法人国立病院機構 京都医療センター「甲状腺の病気について」

参考:厚生労働省「6.2.5.ヨウ素(1)」

参考:CRCグループ「特集 甲状腺疾患」

参考:環境省「ヨウ素について」

予防と早期発見の重要性

甲状腺疾患は早期発見が可能な場合、治療の成果が高まります。定期的な健康診断による甲状腺機能のチェックは、疾患の早期発見に重要です。また、ストレスを軽減し、十分な休息と適度な運動を心がけることも、甲状腺の健康を保つために役立ちます。

参考:一般社団法人 日本内分泌学会「バセドウ病」

なお、甲状腺疾患の家族歴がある人は、定期的な検査が特に重要です。甲状腺疾患に関連する症状を自覚した場合、無視せずに早期に専門医の診断を受けることが大切です。特にバセドウ病や橋本病など、自覚症状がないことが多い疾患では、定期的な検診が早期発見の鍵となります。

参考:放射線医学県民健康管理センター 県民健康調査「よくあるご質問」

甲状腺の健康は身体全体の健康につながる

甲状腺では甲状腺ホルモンが作られ、代謝や脳の機能など幅広く影響します。そのため、甲状腺に不健康が生じると、身体全体の健康にも影響を及ぼすことがあります。

甲状腺の腫れはそのサインのひとつになります。自分で見極めることもできますが、異変に気付いたら専門医から診察してもらいましょう。

また、甲状腺の腫れ以外にも眼球突出があると、甲状腺に関する疾患にかかっている可能性があります。早めの受診と治療が必要です。

当院では眼球突出などバセドウ病眼症にお悩みの方に、元ステロイドパルス療法などダウンタイムが少ない内科的サポートを行っております。バセドウ病眼症にお悩みの場合は、ぜひ、当院にご相談ください。

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