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バセドウ病患者のエネルギー摂取量は?食事メニュー例も紹介

「バセドウ病患者のエネルギー摂取量はどれくらい?」と、お悩みではないでしょうか。

バセドウ病の方は代謝が促進されるので、エネルギーの摂取にも気をつけなければなりません。

しかし、適切なエネルギー摂取量が分からなければ、食事メニューにも活かせません。

本記事では、バセドウ病の方に向けて、エネルギー摂取量や食事メニュー例などを解説していきます。

目次

バセドウ病とエネルギー代謝

バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰産生によって引き起こされる自己免疫疾患です。この病態では、甲状腺ホルモンが体内のエネルギー代謝を亢進させます。

具体的には、甲状腺ホルモンには食物からとった栄養をエネルギーに変換する働きがあります。バセドウ病では、この代謝機能が過剰になるため、基礎代謝が高まり、体内でエネルギーが常に燃え続けた状態になります。

その結果、患者さんは体重減少、動悸、手の震えなどの症状に悩まされることになります。基礎代謝の上昇は、体内の発熱量を増加させ、微熱や暑がりといった症状も引き起こします。

参考:2.甲 状腺疾患の診断 ・治療 と増悪因子

バセドウ病患者のエネルギー摂取量

バセドウ病では、甲状腺ホルモンの過剰産生により基礎代謝が高まるため、通常よりも多くのエネルギーを必要とします。適切なエネルギー摂取量を確保することが大切です。

一般的に推奨されているエネルギー摂取量は確保しておきましょう。たとえば、30代〜40代の男性で身体活動レベルが普通であれば2,650kcalが1日の推奨エネルギー摂取量になります。

ただし、エネルギーの過剰摂取は、肥満や高脂血症、糖尿病などの合併症のリスクが高まります。摂取する食事の内容によってはそのほかの症状がみられる可能性もあるため、注意が必要です。

一方でエネルギー摂取が不足すると、さらなる体重減少や筋力低下、疲労感などの症状が現れる可能性があります。

参考:推定エネルギーの計算

参考:食事バランスガイド早分かり

バセドウ病の適切な食事

バセドウ病の食事療法の目的は、適切なエネルギー摂取と栄養バランスの確保です。

甲状腺ホルモンの過剰分泌により基礎代謝が亢進しているバセドウ病患者は、特に注意が必要です。

まずは炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスを意識しましょう。炭水化物は主食を中心に適量摂取し、たんぱく質は魚や肉、大豆製品から、脂質は植物性油脂を中心に取りましょう。

次にビタミンやミネラルの摂取も大切です。バセドウ病では、ビタミンB群やミネラルが不足しがちになるため、玄米や大豆製品、緑黄色野菜を積極的に取り入れましょう。

一方、ヨウ素の多い昆布や海藻類は控えめにする必要があります。

さらに、食事回数と食べ方にも工夫が必要です。1日3食のバランスの良い食事を心がけつつ、小分けにして頻回に食べるのがおすすめです。

その結果、過剰な食欲を抑え、消化吸収も良好になります。

加えて、代謝を亢進させる刺激物や添加物の多い食品、カフェインの多い飲料、白砂糖の多いお菓子類は避けましょう。

バセドウ病の食事療法は、適切なエネルギー摂取と栄養バランスの確保が重要です。偏った栄養素の過剰摂取にも注意しましょう。

医療従事者と相談しながら、自身の症状に合わせた食事管理を行うことが大切です。

参考:健常者 甲状腺機能への大豆の効果

1日の食事メニュー例

バセドウ病の方に向けて、1日の食事メニュー例をご紹介します。

■朝食目玉焼き1個白米1/2カップ小松菜のおひたし味噌汁(豆腐、わかめ)

朝食では、卵や白米、小松菜などの低ヨウ素食材を活用しています。味噌汁にはわかめを入れていますが、ヨウ素含有量が低めのものにしてみましょう。

■昼食鶏肉のソテー玄米1/2カップ人参とブロッコリーのサラダ果物(バナナ1/2本)

昼食では、ヨウ素の少ない鶏肉や玄米、野菜を中心に構成しています。バナナなどの果物も適量摂取できます。

■夕食豚肉と野菜の炒め物白米1/2カップ味噌汁(えのき、長ネギ)漬物

夕食も、ヨウ素の少ない食材を中心に選んでいます。味噌汁にはえのきや長ネギを使い、ヨウ素含有量を抑えています。

このように、バセドウの方の食事では、ヨウ素の多い食材を避け、バランスの取れた低ヨウ素食を心がけることが大切です。

バセドウ病患者の運動習慣

バセドウ病の方は、食事に加えて運動習慣も見直す必要があります。適度な運動は基礎代謝の向上や体重管理、ストレス解消に効果的です。

一方で激しい運動は避けるべきです。甲状腺機能亢進状態では心臓への負荷が大きく、心臓への悪影響が懸念されるためです。

そのため、バセドウ病の方は、ゆっくりとした有酸素運動がおすすめです。散歩やストレッチ、ヨガなどが適切な運動メニューと言えるでしょう。これらの運動は心臓への負担が少なく、リラックス効果も期待できます。

また、運動の際は体調管理に十分気をつける必要があります。疲労感や動悸、息切れなどの症状が出現したら、無理せずに休憩をとりましょう。無理のない範囲で続けることが大切です。

さらに、運動前後の食事にも注意が必要です。低血糖予防のため、運動前後は適量の糖質を摂取しましょう。

バセドウ病患者さんにとって、適度な運動は心身の健康維持に欠かせません。医師と相談しながら、自身に合った運動メニューを見つけていくことが大切です。

バセドウ病の方はエネルギー摂取に気をつけましょう

バセドウ病の方はエネルギー消費が活発で、摂取量にも気を付ける必要があります。バランスの良い食事を意識的に摂取していきましょう。

ただし、栄養素によっては過剰摂取すると、症状の悪化が考えられるので、医師の指示にも従いながら食事を考えてください。

適切なエネルギー摂取量を意識しないと、バセドウ病の症状の1つである眼球突出にも影響が考えられます。

当院では、眼窩減圧術などにより出目修正を行なっております。

そのほか、ダウンタイムの少ない治療方法もご提案できますので、眼球突出でお悩みの場合は、当院までお気軽にご相談ください。

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