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バセドウ病とコーヒーの関係とは?治療への影響やおすすめの飲み物も解説

バセドウ病の方は、日々の食事や飲み物にも気をつけなければなりません。

そのなかで、コーヒーを飲んでいいものか迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、バセドウ病とコーヒーの関係について解説しています。

コーヒーの成分であるカフェインやタンニンが及ぼす影響と、代替できる飲み物の種類などをご紹介します。

目次

バセドウ病とコーヒーの関係

まず、コーヒーに含まれるカフェインは甲状腺ホルモンの分泌を促進させる働きがあります。

カフェインの影響により、バセドウ病の患者は既に過剰に分泌されている甲状腺ホルモンがさらに増加する可能性があります。

その結果、心拍数の増加、不整脈、神経過敏、体重減少、発汗過多などの症状が悪化する恐れがあります。

また、コーヒーに含まれるタンニンという成分にも注意が必要です。

タンニンは胃腸の働きを妨げる可能性があり、コーヒーを飲んだ後に栄養素の吸収不良を引き起こすことがあります。

バセドウ病の患者は、代謝が高まりやすいため、日常的に栄養バランスを保つことが重要です。

コーヒーの摂取により、さらに栄養不足に陥るリスクが高まるため、特に注意が必要です。

以上の理由から、バセドウ病の患者にはコーヒーの摂取は控えめにするほうがいいでしょう。

バセドウ病とコーヒーの胃への影響

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、体内の様々な機能に影響を与える病気です。

甲状腺ホルモンの過剰分泌が直接的に関係することは少ないものの、交感神経の乱れで特に胃酸の分泌を亢進させる傾向があります。

そのため、胃や十二指腸などの消化管に潰瘍や炎症が起こる可能性も考えられます。

このような症状が続くと、消化不良や栄養吸収の問題が生じる可能性があります。

さらに、コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取は胃酸分泌が増加します。

一方タンニンによって胃腸の働きが阻害され、消化能力を低下させる可能性も考えておきましょう。

これにより、胃酸過多の状態が続くことで、胃や腸の壁が傷つきやすくなり、消化管の不調が深刻化します。

特に、胃痛や胸やけ、食欲不振、悪心や嘔吐などの症状が現れやすくなります。

バセドウ病に伴う代謝亢進は体を酸性に傾けるため、コーヒーの影響と相まって消化管へのダメージが増大しがちです。

参考:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

参考:がんとコーヒー

参考:タンニン酸ベルベリン

バセドウ病と甲状腺がんの併発とコーヒー

バセドウ病と甲状腺がんが同時に発症するケースも否定できません。

バセドウ病では甲状腺内の細胞増殖が異常に活発化するため、がん化のリスクそのものが高まります。

さらに、バセドウ病の放射線治療もがんリスクを増大させる可能性が指摘されています。

バセドウ病を合併した甲状腺がんは、通常のがんと比べて悪性度が高く、進行速いが速いことも考えられます。

また、ある研究でコーヒー摂取量と甲状腺がんの発生リスクに着目しましたが、男女ともに有意な関連は認められませんでした。

コーヒーをほとんど飲まない人、週に1〜4日程度飲む人、毎日1杯以上飲む人の3群に分類して解析を行いましたが、甲状腺がん発生率に差はみられませんでした。

女性においても閉経前と閉経後でこの関連に変化はなく、コーヒー摂取量と甲状腺がんリスクには関連性がないことが示唆されたと考えられます。

これまでの症例対照研究を用いた場合においても、コーヒー摂取と甲状腺がんの関連について有意な結果は得られておらず、同研究はこれと一致するものでした。

コーヒーに含まれるカフェインなどの成分が甲状腺機能に影響を与える可能性は指摘されるものの、がん発症リスクの変化には結びついていないものと考えられる結果です。

参考:バセドウ病に甲状腺髄様癌を合併した 1 例について

参考:甲状腺の病気について

参考:緑茶・コーヒー摂取と甲状腺がん発生との関連について

バセドウ病におすすめの飲み物

バセドウ病の人は、コーヒーや紅茶などのカフェインを多く含む飲み物は避け、緑茶やウーロン茶、ほうじ茶などのカフェイン控えめな飲み物がおすすめです。

緑茶やウーロン茶に含まれるカテキンやポリフェノールには体内の酸化ストレスを和らげる効果が期待できます。

また、カフェインをほとんど含まない麦茶やハーブティーなどは、リラックス効果や眠りへの移行を促す作用もあるのでおすすめです。

ストレスが甲状腺機能をさらに亢進させるケースがあることから、リラックス効果がある飲み物の摂取も検討してみてください。

バセドウ病に適した飲み物としてはカフェインが少なく、リラックス効果のあるものです。

上手に取り入れながら、生活習慣全体を見直すことが求められます。 

参考:バセドウ病

コーヒーの過剰摂取に注意しましょう

バセドウ病の方にとって、コーヒーのカフェインやタンニンは症状を悪化させる可能性があります。

代謝亢進や消化器系への負荷増加などの影響が生じます。

そのため、コーヒーではなく、緑茶や麦茶、ハーブティーなどがおすすめです。

抗酸化作用やリラックス効果も期待でき、治療にも効果が期待できます。

カフェインの摂取を控えめにしたうえで、生活習慣全体を見直すことを心がけましょう。

また、飲み物だけではなく、食事内容や休養の取り方など、総合的なアプローチが大切です。

なお、バセドウ病の症状のひとつである眼球突出もコーヒーの影響で悪化が考えられます。

当院では、眼窩減圧術などにより出目修正を行なっております。

ダウンタイムの少ない治療方法も提供していますので、眼球突出でお悩みの場合は、当院までお気軽にご相談ください。

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