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バセドウ病は本当に美人病なの?理由や診断・治療の方法も解説
「バセドウ病は美人病と呼ばれているけれど本当?」
「なぜバセドウ病は美人病と呼ばれるの?」
このような悩みを持つ方に、美人病と呼ばれる理由やその真相を解説します。
また、適切な診断方法、治療方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
バセドウ病とは?
まずはバセドウ病について、特徴や症状などを解説します。
バセドウ病の特徴
バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の一種であり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患です。
この病気は、甲状腺が異常な抗体によって刺激されることが原因で起こります。
主な症状とその影響
バセドウ病の典型的な症状には、甲状腺の腫大、頻脈、眼球突出、動悸、息切れ、体重の減少、手の震え、下痢などがあります。
これらの症状は、甲状腺ホルモンや交感神経系のカテコールアミンが過剰になることにより引き起こされます。
さらに、疲れやすさ、精神的なイライラや落ち着きのなさ、女性の場合は生理が止まることもあります。
バセドウ病が「美人病」と呼ばれる理由は?
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が活発になり、食べても太らない体質を生み出すことがあります。
このため、痩せていて魅力的に見えることが多く、「美人病」と呼ばれるようになりました。
また、バセドウ病にかかると精神的な高揚が続くこともあり、これが外見的な魅力に影響を与える可能性も考えられます。
バセドウ病は本当に美人病なのか?
過去に芸能人や有名人がバセドウ病にかかるケースもあり、美人病と呼ばれることに納得できる人もいるでしょう。
しかし、本当にバセドウ病は美人病なのでしょうか。
まず、病気の物理的な特徴と美的イメージからみていきます。
バセドウ病は甲状腺の腫大や眼球突出など、症状によっては身体的に特徴的な面が現れます。
それらの症状が全ての患者の外見にプラスに働くとは言い切れません。
また、例えば、同じ眼球突出と言っても人によって見た目が異なることが多いです。
その点からも必ずしも美的にプラスになるとはいえないでしょう。
それから、「美人病」という呼び名は症状の一面を表しているに過ぎません。
医学的にみるとバセドウ病が持つ様々な健康上のリスクや複雑な症状を簡略化してしまう可能性があります。
病気の影響は、美的な側面だけでなく、心身の健康にも及びます。
バセドウ病の診断や治療
美人病とも呼ばれるバセドウ病ですが、健康面を考えると適切な診断、治療が大事です。
ここでは、バセドウ病の診断や治療について解説します。
診断方法
一般社団法人 日本甲状腺学会は「甲状腺診断ガイドライン」を公開しています。
そのなかでバセドウ病の診断ガイドラインでは、臨床所見と検査所見が定められています。
臨床所見 | 検査所見 |
頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見びまん性甲状腺腫大眼球突出または特有の眼症状 | 遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値TSH低値(0.1μU/ml以下)抗TSH受容体抗体(TRAb)陽性、または甲状腺刺激抗体(TSAb)陽性典型例では放射性ヨウ素(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値、シンチグラフィでびまん性 |
上表の内容をもとに、バセドウ病の診断がなされます。
- バセドウ病:臨床所見1つ以上に加え、検査所見の4つを有する場合
- 確からしいバセドウ病:臨床所見1つ以上に加え、検査所見の1、2、3を有する場合
- バセドウ病の疑い:臨床所見の1つ以上に加えて、検査所見の1と2を有し、遊離T4、遊離T3高値が3ヶ月以上続く場合
参考:一般社団法人 日本甲状腺学会「甲状腺診断ガイドライン」
上記のような基準によりバセドウ病かどうか診断されます。
治療方法
バセドウ病の治療方法は下表にまとめた3種類が挙げられます。
治療方法 | 長所 | 短所 |
手術 | 治療効果を確実に得られる。甲状腺の腫れが小さい再発が少ない | 手術痕が残る専門施設が限られる甲状腺機能低下症になりやすい |
薬物治療 | 薬を飲むだけの治療甲状腺低下症になっても戻りやすい | 副作用を発症する場合がある長期にわたる治療となる再発しやすい |
アイソトープ治療 | カプセルを1回飲むだけ薬物治療よりも短期間の治療になる副作用や合併症がほとんどない甲状腺の腫れが小さい再発が少ない | 治療ができる施設が限られる甲状腺低下症になりやすい |
手術や薬物治療に加えて、近年ではアイソトープ治療も広まりつつあります。
アイソトープ治療は放射線治療のひとつですが、体内から直接的に甲状腺だけを治療する方法です。
小さなカプセルを飲むだけであり、入院の必要もない治療方法となります。
バセドウ病の治療については、医師と相談し、症状などから選んでください。
バセドウ病でお悩みの場合は当院までご相談ください
バセドウ病は美人病と言われる場合もありますが、罹患すれば健康面での不調も多くなります。
罹患後に必ずしも美的な要素でプラスになることばかりではありません。
場合によっては手術などが必要になることも考えられます。
「バセドウ病=美人病」と思い込まず、適切な診断と治療によって健康的に生活することを優先させましょう。
なお、当院ではバセドウ病眼症に悩む方に内科的サポートである元ステロイドパルス療法などを提供しています。
いずれもダウンタイムが少ない施術であり、安心して治療ができます。
バセドウ病の治療についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。