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バセドウ病で目の下にクマができる?原因・見分け方・治療方法を解説

「目の下のクマが目立つようになり、バセドウ病ではないかと気になっている」
「バセドウ病だと診断されてから、目の下にクマができてしまった」
このようにお悩みの方に向けて、クマができる原因やほかの疾患との見分け方、バセドウ病が疑われる場合の検査方法、治療法について解説しています。
バセドウ病による目の下のクマは眼球突出の影響で起こる
そもそもバセドウ病とは、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になってしまう自己免疫疾患の1つ。甲状腺機能亢進症とも呼ばれます。
バセドウ病(バセドウ病眼症)によって目の下にクマができることがありますが、これは眼球突出の影響です。
眼球突出はバセドウ病特有の症状であり、眼球の後ろにある脂肪や眼球を動かす筋肉が増大することで起こります。
治療によってバセドウ病の症状や数値が落ち着いている場合でも、目の下のクマが自然に治ることはありません。
目の下にクマができる原因はバセドウ病以外にもある
バセドウ病とクマの関連性について解説しましたが、もちろん「目の下にクマがある場合はすべてバセドウ病である」とは言えません。
以下のような原因でクマができるケースもあるためです。
クマの種類 | 原因 |
茶クマ | メイクや日焼け、まつげの育毛剤、目をこする行為などによる色素沈着 |
青クマ | 睡眠不足や疲れ、栄養バランスの乱れなどによる血行不良 |
黒クマ | 加齢によって顔の骨が縮んだり頬の脂肪がこけたりして影やたるみができる |
「目の下のクマ以外に気になる症状はない」「クマができた心当たりがある」という方の場合、過度な心配はないでしょう。
目の下のクマ以外にこんな症状がある場合はバセドウ病の可能性がある
目の下のクマ以外に以下のような症状が現れている方の場合、バセドウ病(バセドウ病眼症)に陥っている可能性があります。
症状 | 症状の特徴 |
眼球突出 | 眼球が前に飛び出してしまう |
痛み | 目や目の周囲が痛む |
視力低下 | ものが見えにくくなる |
複視 | ものが重なって見える |
斜視 | まっすぐ見ようとしても、目が違う方向に向いてしまう |
視野欠損 | 視野が狭くなったり欠けたりする |
流涙 | なみだが止まらなくなったり、なみだ目になったりする |
眼瞼後退 | まぶたがつり上がる |
眼瞼腫脹 | まぶたが腫れる |
結膜浮腫 | 目の表面を覆っている透明な粘膜が充血したり腫れたりする |
涙丘の発赤・腫脹 | 目頭の内側にあるピンク色の部分が赤くなったり腫れたりする |
兎眼 | まぶたを完全に閉じられない |
Graefe 徴候 | 下を見つめるとき、隔膜の上に白目が残る状態になる |
眼球運動障害 | 眼球を動かす外眼筋の運動障害が起こる |
角膜障害 | びらん、潰瘍、混濁、壊死、穿孔など、角膜に起こる症状 |
視神経症 | 視神経に障害が起こり、急激な視力の低下や視野が欠ける |
網膜障害 | 網膜の血管に障害が起こり、視界がかすんだり視力が低下したりする |
眼球突出、目の下のクマ、斜視、視力低下など、複数の症状が同時に現れることもあります。
特に重症例では複視(ものが重なって見える状態)や視力障害などが起こり、QOL(生活の質)が著しく下がるほか、事故やケガなどにつながるリスクも考えられます。
目の下にクマがありバセドウ病が疑われる場合の検査方法
目の下にクマがあり、バセドウ病(バセドウ病眼症)が疑われる場合は、バセドウ病と眼症の検査・診断が必要です。主な検査方法は、以下のとおりです。
バセドウ病の検査方法 | 血液検査超音波検査心電図胸部X線検査感染症免疫検査 |
バセドウ病眼症の検査方法 | 眼球突出度の測定眼窩部MRIまたはCT視力・視野・眼圧の検査角膜・結膜・涙腺機能の検査 |
またバセドウ病や眼症だとわかった場合は重症度が評価され、治療方法が検討されます。
バセドウ病眼症だとわかった場合の治療法
ここからは、バセドウ病およびバセドウ病眼症の治療法について詳しく解説します。
バセドウ病に対する治療法は主に3種類
バセドウ病眼症だとわかった場合、まずはバセドウ病による甲状腺機能亢進症を改善する必要があります。
具体的には、①抗甲状腺剤による治療、②アイソトープ治療(放射性ヨウ素が含まれるカプセル)を使用する治療、③手術療法のいずれかが選択されます。眼症の活動性や重症度に応じて適応となる治療法は異なるため、詳しくは医師にご相談ください。
参照元:日本臨床検査医学会
バセドウ病眼症に対する治療法は主に4種類
一方で、バセドウ病眼症だとわかった場合の治療法は下記の4種類です。
種類 | 詳細 |
ステロイド・パルス療法 | 最重症例の患者さんに適応。炎症を鎮静化させて、甲状腺症の活動性を抑えることを目的に行う |
眼窩部放射線外照射療法 | 35 歳以上で、活動性の中等症異常の眼症に適応。放射線治療によるリンパ球を破壊することを目的に行う。 |
手術(眼窩減圧術・外眼筋手術・眼瞼手術など) | 中等症~重症例かつ、非活動期の患者さんに適応。視機能の回復や見た目を整えることを目的に行う。 |
トリアムシノロンやボツリヌス毒素の局所投与 | 眼瞼腫脹や炎症、上眼瞼後退が見られる場合に適応。複視やまぶたの腫れなどにアプローチすることを目的に行う。 |
どの治療法が適応となるかは、重症度や医師の方針によります。有効率やリスクなどもそれぞれ異なるため、よく主治医と相談したうえで治療に臨むようにしてください。
当院は目の下のクマにアプローチ可能な「眼窩減圧術」を提供しています
当院では、バセドウ病眼症による目の下のクマにお悩みの方に向けて、「眼窩減圧術」を提供しています。
「眼窩減圧術」とは目の周りの脂肪や骨を切除することで増えた体積を減らし、眼球突出やクマの改善を目指す方法です。
また、目の下のクマを埋めるためにヒアルロン酸などの注入剤を使用し、睫毛内反(逆まつげ)が起こってしまった方にも適応することがあります。
このほか、ステロイドパルス療法や皮膚切除、表ハムラ法、ミッドフェイスリフト、脂肪注入などにも対応しています。
内科専門医が複数在籍しており、バセドウ病のフォローも可能です。クマや眼球突出など、目の症状にお悩みの方はお気軽にご相談ください。