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バセドウ病は治療しないとどうなる?起こり得るリスクは主に3つ

バセドウ病は治療しないとどうなる?リスクがあるの?

バセドウ病と診断されたものの、なるべく治療を受けずに様子を見たい

このようにお悩みの方に向けて、バセドウ病を治療しない場合(放置した場合)のリスクについてまとめました。

目次

バセドウ病は治療が必要な疾患

そもそもバセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、代謝をつかさどる甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気。(甲状腺)の腫れ動悸頻脈(脈が速くなる)、息切れだるさ微熱食欲増加体重減少イライラ集中力の低下など、さまざまな症状が現れるのが特徴です。

バセドウ病と比較される疾患としては橋本病が挙げられます。橋本病では、甲状腺ホルモンの量が不足するため甲状腺機能低下症とも呼ばれます。

バセドウ病と診断された場合、治療によって改善を目指す必要があります。治療方法としては、以下の通りです。

  • プロパジールやメルカゾールなど、抗甲状腺薬による内服治療
  • アイソトープ治療(放射性ヨウ素が含まれるカプセル)を使用する治療
  • 甲状腺の約2/3以上、またはすべてを摘出する手術療法

副作用や合併症などのリスクが心配」と考える患者さんもいらっしゃいますが、だからといって治療を受けないことは推奨しません。

甲状腺機能が改善されない場合、死亡や不妊・流産、眼症の発症・悪化などが引き起こされるリスクがあるためです。

以下ではそれぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

バセドウ病を治療しないと死亡するリスクがある

バセドウ病を治療しないとどうなるのかというと、最悪の場合死に至るリスクがあります。

というのも、「甲状腺クリーゼ」という重篤な病気を引き起こす可能性があるためです。

甲状腺クリーゼとは複数の臓器の機能が低下することで起こる病気です。高熱や頻脈けいれん黄疸意識レベルの低下呼吸停止などの症状が現れ、およそ10%の人が亡くなってしまうとわかっています。

とはいえ、甲状腺クリーゼに陥ってしまうのは、下記のようなケースに該当する場合です。

  • バセドウ病を治療せず放置した場合
  • 治療中、肺炎などの感染症にかかってしまった場合
  • 治療中、出血を伴う大ケガをしてしまった場合
  • 治療中、抜歯や手術など出血を伴う処置を受けた場合

甲状腺機能の亢進状態が落ち着くまで適切な治療を続けた方の多くは、死亡や甲状腺クリーゼなどのリスクにさらされることはありません。

参照元:甲状腺クリーゼ|一般社団法人 日本内分泌学会

バセドウ病を治療しないと不妊・流産のリスクがある

女性の場合、バセドウ病を治療しないことで、不妊流産につながるリスクがあります。

不妊につながる理由は、バセドウ病の影響によって月経量の減少無月経性欲の減退排卵障害などが起こるためです。

また自然妊娠ができたとしても、妊娠中に治療を受けないことで流産や早産、妊娠性高血圧などが引き起こされたり、新生児がバセドウ病にかかってしまったりするケースもあります。

妊娠を考えているのに薬を飲みたくない」「妊娠中にバセドウ病だとわかったので、治療に抵抗がある」と考える方もいるかもしれません。

しかし、バセドウ病が自然に改善されるケースはないため、まずは治療を受け、症状のコントロールを目指すことが先決です。

なお、治療によって甲状腺機能をコントロールできれば、妊娠・出産に対する制限や影響が出るケースはほとんどありません。

バセドウ病を治療しないと眼症の発症・悪化のリスクがある

バセドウ病を治療しないことで、眼症の発症・悪化を招くおそれもあります。

眼症とは、その名の通り目に起こる症状です。症状は以下のように多岐にわたります。

症状症状の特徴
眼球突出眼球が前に飛び出してしまう
目の下のクマ眼球突出にともない、目の下にクマができる
痛み目や目の周囲が痛む
視力低下ものが見えにくくなる
複視ものが重なって見える
斜視まっすぐ見ようとしても、目が違う方向に向いてしまう
視野欠損視野が狭くなったり欠けたりする
流涙なみだが止まらなくなったり、なみだ目になったりする
眼瞼後退まぶたがつり上がる
眼瞼腫脹まぶたが腫れる
結膜浮腫目の表面を覆っている透明な粘膜が充血したり腫れたりする
涙丘の発赤・腫脹目頭の内側にあるピンク色の部分が赤くなったり腫れたりする
兎眼まぶたを完全に閉じられない
Graefe 徴候下を見つめるとき、隔膜の上に白目が残る状態になる
眼球運動障害眼球を動かす外眼筋の運動障害が起こる
角膜障害びらん、潰瘍、混濁、壊死、穿孔など、角膜に起こる症状
視神経症視神経に障害が起こり、急激な視力の低下や視野が欠ける
網膜障害網膜の血管に障害が起こり、視界がかすんだり視力が低下したりする

参照元:甲状腺眼症診療の手引き Digest 版

これらの症状についても、治療を受けずに自然に治るということはなく、むしろ症状が悪くなってしまうケースもあります。

眼症になると見た目が変わってしまったり、ものが見えづらくなったりして、生活に支障が出るケースも少なくありません。

なかには放射線療法や手術が必要になる症例もあるため、バセドウ病を治療せず放置することは避けてください。

こんな症状がある場合は放置せずにすぐ受診を

バセドウ病の症状は多岐にわたるため、受診の目安がわからないという方もいるかもしれません。

特に注意いただきたいのは①甲状腺腫大(首の腫れ・しこり)②頻脈(脈が速くなる)③眼球突出(眼球が飛び出たように見える)という3つの症状です。これらは「バセドウ病の三大症状」とも呼ばれます。

心当たりがある方は、お近くのクリニックを受診することを推奨します。

ただし、なかにはバセドウ病特有の症状が現れにくい・気付きにくい人もいるため、あくまでも目安としてお考えください。

実際「体調不良が続いており、検査を受けたらバセドウ病だと判明した」「風邪や更年期障害だと思っていたらバセドウ病だった」というケースもあります。

下記の記事では、バセドウ病の初期症状や発覚するときのきっかけについて詳しく解説しています。受診の目安についてさらに詳しく知りたい方は、あわせてお読みください。

バセドウ病の初期症状を写真付きで解説

バセドウ病が発覚するときのきっかけは?どうやって気づく?

バセドウ病は適切な治療を受けることでコントロール可能

バセドウ病を治療しないことで考えられるリスクは、以下の3つです。

  • 死亡するリスク
  • 不妊・流産のリスク
  • 眼症の発症・悪化のリスク

もちろん、治療によって症状をコントロールできれば、このようなリスクも低減できます。

なお当院では、バセドウ病眼症にお悩みの方に向けて、ステロイドパルス療法眼窩減圧術皮膚切除表ハムラ法ミッドフェイスリフト脂肪注入といった治療を提供しています。

バセドウ病の影響で眼球突出など見た目に変化が出てしまった」という方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

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