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バセドウ病が発覚するときのきっかけは?どうやって気づく?

首の腫れや動悸、疲れやすさ、体重減少、目の異常など、体にさまざまな異常が現れる疾患・バセドウ病(甲状腺機能亢進症)。

「バセドウ病かもしれないと思っているけれど、いきなり内分泌内科などの専門医を受診するのは抵抗がある」「病院にかかる前に、バセドウ病について知っておきたい」と考えている方もいるでしょう。

そこでこの記事では、「バセドウ病が発覚するときのきっかけ」についてまとめました。

目次

バセドウ病が発覚するときのきっかけは主に8パターン

バセドウ病特有の症状は多岐にわたるため、発覚するときのきっかけも人それぞれ異なります。以下では、バセドウ病が発覚するときの主なきっかけについて見ていきましょう。

眼球突出など目に異常が起こる

目に異常が起こったことがきっかけでバセドウ病だと気付くケースがあります。

バセドウ病による目の症状としては、下記が挙げられます。

  • 眼球突出(目が飛び出る)
  • 目や目の周囲の痛み
  • ものが見えにくくなる
  • ものが重なって見える
  • 視野が狭くなる
  • なみだが止まらない・なみだ目になる
  • まぶたがつり上がる・腫れる
  • 目が充血する・腫れる
  • まぶたを完全に閉じられない

特に、目が前方に飛び出る眼球突出の場合は見た目に影響するため、異変に気付くきっかけになりやすいと言えます。また、目が十分に閉じられないことで目が乾いたり、まぶたがむくんだりする人もいます。

目に異常があると生活の質が損なわれるだけではなく、事故やケガの原因にもなり得るため、早めに病院を受診することをおすすめします。

ただし、バセドウ病患者の方全員にこのような目の異常が現れるというわけではありません。バセドウ眼病で明らかな目の異常が現れるケースは3割ほどだとわかっているためです。

甲状腺(首)が腫れている

バセドウ病だと気付くきっかけとして、甲状腺(首)が腫れているケースが挙げられます。

甲状腺は喉仏(のどぼとけ)の下の位置にある臓器です。体全体の新陳代謝を促進する働きをもつ甲状腺ホルモンを分泌する働きを持っています。

甲状腺の働きに異常が起こると、甲状腺ホルモンの分泌量が多くなりすぎたり、少なくなりすぎたりします。そして、甲状腺ホルモンが多いときに疑われる病気の代表例がバセドウ病(甲状腺機能亢進症)です。一方、甲状腺ホルモンが少ないときに疑われるのは甲状腺機能低下症で、その代表的なものが橋本病です。

このようにバセドウ病と甲状腺には密接な関係があるので、首が腫れていることに気付いたり周りの人に指摘されたりしたことがきっかけで病院を受診する人も多い傾向にあります。

暑さを感じ汗っかきになる

暑さを感じやすくなった」「または汗をかきやすくなった」ということがきっかけでバセドウ病だと発覚するケースもあります。

甲状腺ホルモンの分泌量が多くなると体の代謝も刺激されて活発になるため、運動をしていない安静時でも暑さを感じたり汗をかきやすくなったりするのです。また、飲み水の量が増える人もいます。

ただし女性の場合は更年期障害などほかの原因で引き起こされている可能性もあるため、この症状があるからといって必ずしもバセドウ病を発症しているというわけではありません。

脈拍が速くなり動悸を感じる

脈拍が早くなった」「動悸を感じるようになった」という症状も、バセドウ病が発覚するきっかけになりやすい傾向にあります。

通常、安静時の脈拍は1分間に60〜80回程度です。しかしバセドウ病の方は安静時でも走っているような状態にあるため、脈拍が100回を超えたり心臓がドキドキしたりという症状が現れます

このような症状を放っておくと不整脈(心房細動)を発症してしまうこともあるため、早めに医師に相談することを推奨します。

手指が細かく震えるようになる

恐怖や緊張、震えを感じているわけでもないのに手指が細かく震えるようになった」ということがバセドウ病発覚のきっかけになることもあります。

手指の震えも、甲状腺ホルモンが多いことで引き起こされやすい症状です。

「コップなどを持ったときや字を書くときなどに手指が震えてしまう」という方は、医師に相談するようにしましょう。

疲れやすくなる

特になにもしていないのに疲れやすくなった」という状態がきっかけでバセドウ病を疑い病院を受診する方もいます。

先述したとおり、甲状腺ホルモンが多くなるバセドウ病は、常に走っているような状態です。

そのうえ「暑さを感じ汗っかきになる」「脈拍が速くなり動悸を感じる」「手指が細かく震えるようになる」といった複数の症状が起こるケースもあるため、普段より疲れやすくなってしまうのです。

また、患者さんによっては37.5℃前後の微熱が現れることもあります。

「明確な原因がないのにもかかわらず、すぐに疲れてしまう」という場合は、早めに病院を受診することを推奨します。

感情の起伏が激しくなる

感情の起伏が激しくなってしまう」という症状がバセドウ病が発覚するきっかけになることもあります。

バセドウ病によって引き起こされる精神症状の例は以下のとおりです。

  • 不安を感じやすくなる
  • 怒りやすくなる
  • 物音にビックリしやすくなる
  • 理由もなく泣いてしまう
  • 寝付きが悪くなる
  • 思考が遅くなる
  • 集中力が低下する
  • 休息や昼寝の時間が長くなる

これらの症状に悩むバセドウ病の方が、うつ病などの疾患と誤認されてしまうケースもしばしば見受けられます。

もし上記で挙げたような精神症状があり、「バセドウ病かもしれない」と感じる場合は、一度バセドウ病の検査を受けてみてください。

人間ドックや健康診断で指摘される

人間ドックや健康診断を受けた際、医師から指摘されることでバセドウ病の疑いがあるとわかることもあります。

自分や周りの人がわからない程度の症状でも、医師の触診や血液検査、問診などがきっかけで早期発見に繋がるケースがあるのです。

このような場合、改めて詳しい検査を受けるよう勧められることが一般的です。

甲状腺の異常が発覚した場合は早めにバセドウ病の検査を

ここまでの内容を読んで「自分もバセドウ病かもしれない」と考えている方もいるかもしれません。そこで以下では、検査方法と治療方法について解説します。

バセドウ病の検査方法

バセドウ病が疑われる場合、内分泌内科などの専門医を受診することが望ましいです。

病院では、血液検査によって甲状腺ホルモン(FT3・FT4・TSH)や自己抗体(TRAb・TSAb)の値を調べるのが一般的です。検査結果によって、以下のように分類されます。

数値診断される病気
FT4が基準値以上または基準値FT3が基準値以上TSHが基準値以下TRAb・TSAbが陰性バセドウ病
FT4が基準値以下FT3が基準値以下または基準値TSHが基準値以上抗Tg抗体・抗TPO抗体が陰性橋本病

参照元:日本臨床検査医学会

バセドウ病の治療方法

バセドウ病の治療法としては、以下の3つが挙げられます。

治療方法詳細
内科的治療(薬物療法)抗甲状腺薬の投与
手術療法甲状腺の約2/3以上を切除する甲状腺亜全摘術、または甲状腺のすべてを摘出する甲状腺全摘術
放射線治療(131I内服療法)放射性ヨウ素が含まれるカプセルを飲んでから行うアイソトープ(放射性ヨウ素内用)治療

参照元:日本臨床検査医学会

重度ではない場合、まずは薬による治療を開始し、効果や副作用の有無によって別の治療法が選択される傾向にあります。

妊娠・授乳中の女性や小児など、患者さんの状態によっても適切な治療方法が異なるため、医師の判断を仰ぎましょう。

バセドウ病が発覚するときのきっかけはさまざま

バセドウ病が発覚するときの主なきっかけは下記のとおりです。

  • 眼球突出など目に異常が起こる
  • 甲状腺(首)が腫れている
  • 暑さを感じ汗っかきになる
  • 脈拍が速くなり動悸を感じる
  • 手指が細かく震えるようになる
  • 疲れやすくなる
  • 感情の起伏が激しくなる
  • 人間ドックや健康診断で指摘される

ただし上記の症状があるからと言って必ずしもバセドウ病であるとは限りませんし、症状を自覚していなかった方がバセドウ病だとわかるケースもあります。

バセドウ病は早期発見・治療することで改善が見込める病気です。疑わしい場合は血液検査や放射性ヨウ素(アイソトープ)検査によって調べられますので、早めに病院を受診することをおすすめします。

なお、当院ではバセドウ病による目の疾患(甲状腺眼症・バセドウ病眼症)に対する眼形成を実施しています。眼球突出やまぶたの腫れなど目の異常にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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