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赤ちゃんの眼球突出が気になる!原因や症状、診断・治療法を解説
赤ちゃんの目の健康が気になる親御さんも多いのではないでしょうか。特に赤ちゃんの目が少し飛び出しているように見えると、不安になってしまいます。
しかし、早期発見と適切な治療で、多くの場合改善が可能です。本記事では、赤ちゃんの眼球突出について、その原因や症状、診断方法、さらには予防法まで解説します。
赤ちゃんの眼球突出とは?正常な眼の状態との違い
赤ちゃんの眼球突出は、眼球が通常より前方に飛び出した状態を指します。正常な眼では、眼球は眼窩という骨で囲まれた空間にすっぽりと収まっています。しかし、突出した眼球は、この空間から前方へ押し出されてしまうのです。
具体的には、眼窩の骨の前面から角膜の頂点までの距離が17ミリ以上、または左右の眼で2ミリ以上の差がある場合を眼球突出と判断します。赤ちゃんの場合、この基準値はやや小さくなるでしょう。
正常な赤ちゃんの目は、大きく丸くて愛らしいものです。しかし、眼球突出がある場合、目が異常に大きく見えたり、白目の部分が多く見えたりします。また、まぶたが十分に閉じられないこともあります。
乳幼児の眼球突出の主な原因
乳幼児の眼球突出にはさまざまな原因がありますが、主に眼窩腫瘍、眼窩蜂窩織炎、先天性異常の3つが挙げられます。これらの原因を理解することで、早期発見と適切な治療につながります。
眼窩腫瘍
眼窩腫瘍は、赤ちゃんの眼球周囲に発生する異常な組織の塊です。良性のものが多いですが、なかには悪性のものもあります。最も一般的なのは乳児血管腫で、いわゆる「いちご状血管腫」とも呼ばれます。
生後数週間から数か月で急速に成長し、赤くモコモコとした外観を呈します。多くの場合、1歳頃から自然に縮小していきますが、大きさや位置によっては治療が必要になることもあります。
眼窩蜂窩織炎
眼窩蜂窩織炎は、眼球の周囲や後方の組織に起こる細菌感染症です。小児に多く見られ、非常に危険な状態に陥る可能性があります。主な症状は、眼の周囲の腫れや痛み、発熱、眼球の突出などです。
多くの場合、副鼻腔からの感染の波及が原因となります。早期に適切な治療を行わないと、視力障害や髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため、迅速な対応が求められます。
先天性異常
先天性異常による眼球突出は、生まれつき眼窩の構造に問題がある場合に起こります。例えば、原発性乳児緑内障では、眼圧の上昇により眼球が大きくなり、突出して見えることがあります。
また、頭蓋骨や顔面骨の形成異常によっても、眼球突出が生じる可能性があります。これらの先天性異常は、出生時や乳児期早期に発見されることが多く、専門医による詳細な検査と適切な治療計画が必要です。
赤ちゃんの眼球突出に伴う症状と注意すべきサイン
赤ちゃんの眼球突出には、いくつかの特徴的な症状や注意すべきサインがあります。まず、目が通常より大きく見えたり、白目の部分が多く露出したりします。また、まぶたが完全に閉じられない状態も見られるでしょう。
眼球の動きに制限がある場合や、赤ちゃんが目をこすったり、不快そうにしたりする様子も要注意です。さらに、眼の周囲の腫れや発赤、分泌物の増加なども重要なサインとなります。
ときには、頭痛や吐き気を示す行動が見られることもあります。これらの症状は、眼球突出の原因によって異なる場合があります。
少しでも気になる症状があれば、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。早期発見・早期治療が、赤ちゃんの目の健康を守る鍵となります。
小児の眼球突出の診断方法
小児の眼球突出を正確に診断するには、専門的な検査が必要です。眼科での詳細な検査と画像診断を組み合わせることで、原因を特定し、適切な治療方針を立てることが可能です。
眼科での検査
眼科での検査は、医師が目視で眼球の位置や動きを確認します。また、特殊な器具を使って眼球の突出度を測定します。この測定には、ヘルテル眼球突出計という器具がよく用いられます。
さらに、細隙灯顕微鏡を使って眼球の表面や内部を詳しく観察します。この検査では、炎症や腫瘍の有無の確認が可能です。眼圧測定も行われることがありますが、高眼圧は眼球突出の原因となる可能性があるためです。
画像診断
画像診断は、眼球周囲の組織や骨の状態を詳しく調べるのに役立ちます。CTスキャンやMRI検査が主に用いられます。CTスキャンは、眼窩の骨構造や副鼻腔の状態を明確に映し出します。一方、MRIは軟部組織の詳細な観察に優れています。
これらの画像検査により、腫瘍の有無や大きさ、位置を正確に把握できます。また、感染症や炎症の範囲も明らかになるでしょう。
赤ちゃんの眼球突出を予防するには?
赤ちゃんの眼球突出を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らす方法はあります。まずは定期的な健康診断を欠かさず受けましょう。乳幼児健診では、目の状態も確認されます。
目の衛生管理も重要です。赤ちゃんの目を清潔に保ち、目やにや異物を優しく拭き取りましょう。これは感染症予防にもつながります。
外傷予防も忘れずに行い、赤ちゃんの周りに危険な物を置かず、転倒やぶつかりに注意しましょう。また、紫外線対策も重要です。外出時は帽子などで赤ちゃんの目を守りましょう。紫外線による目への悪影響を防ぎます。
赤ちゃんの眼球突出に注意しましょう
赤ちゃんの眼球突出は、さまざまな原因で起こる可能性があります。眼窩腫瘍、眼窩蜂窩織炎、先天性異常などが主な原因ですが、早期発見と適切な治療が重要です。
目の異常な大きさや白目の露出、まぶたが閉じにくいなどの症状に気づいたら、すぐに専門医の診察を受けましょう。定期的な健康診断や目の衛生管理、外傷予防なども大切です。
赤ちゃんの眼球突出でお困りのときは、当院までお気軽にご相談ください。出目修正などお力になれることがあるかもしれません。