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首の前面が腫れているときや眼球突出している場合はどの病院に行けばいい?受診時のポイントも解説

「首の前面が腫れてきたけれど、診療科がわからない」
「眼球突出の場合はどの病院に行けばいいの?」
このようなお悩みがある方に、首の腫れや眼球突出の場合の診療科などを解説します。
首の前面が腫れているときに疑われる病気
首の前面が腫れているときに疑われる病気はいくつか挙げられます。一覧表にしてみましたのでご確認ください。
病気名 | 特徴 |
バセドウ病 | 抗TSH受容体抗体(甲状腺刺激ホルモン)が原因。体重減少、手の震え、動悸、眼球突出が特徴。高齢者では症状が異なることもあり、心房細動や心不全のリスクも考えられる。 |
橋本病(慢性甲状腺) | 成人女性に多い自己免疫疾患。甲状腺自己抗体が甲状腺機能低下を引き起こす。体重増加、むくみ、倦怠感、便秘、冷え性などが症状。高齢者では認知症の原因となることも。 |
亜急性甲状腺炎 | 炎症による甲状腺組織の破壊。甲状腺腫の痛み、発熱、甲状腺機能亢進状態が特徴。数カ月で自然治癒するが、喉の病気や風邪と間違われやすい。 |
未分化がん(稀) | 甲状腺がんの中で最も予後不良。急速に進行し、頸部の腫れ、声がれ、飲み込みにくさが特徴。炎症症状を伴うこともあり、迅速な対応が必要。 |
腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ) | 過形成による結節で、嚢胞を伴うこともある。がんへの変化は稀だが、がんを合併することもあるため、定期的な経過観察が重要。 |
嚢胞(のうほう) | 液体がたまった結節。出血による急激な腫れや痛みを伴うことがあり、時には緊急の治療が必要になる場合も。 |
濾胞腺腫(ろほうせんしゅ) | 良性腫瘍で最も多いタイプ。超音波検査や細胞診で濾胞がんとの区別が難しいため、濾胞性腫瘍として慎重に経過を観察する必要がある。 |
機能性甲状腺結節 | 良性の腫瘍が甲状腺ホルモンを産生し、機能亢進状態に。バセドウ病に比べて症状は軽症。適切な診断と治療が重要。 |
悪性腫瘍(がん) | 甲状腺悪性腫瘍は乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫に分類される。適切な診断と治療計画が生存率に大きく影響する。 |
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「首の腫れが心配 ひょとして甲状腺の病気かも?」
首の前面が腫れたらどの病院に行けばいい?
先述した病気にかかっている可能性を調べるには、下記のような診療科を受診してください。
- バセドウ病: 内分泌科、甲状腺専門外来
- 橋本病(慢性甲状腺): 内分泌科、甲状腺専門外来
- 亜急性甲状腺炎: 内分泌科、甲状腺専門外来
- 未分化がん(稀): 外科(甲状腺外科)、内分泌科、がん専門センター
- 腺腫様甲状腺腫: 内分泌科、甲状腺専門外来
- 嚢胞(のうほう): 内分泌科、甲状腺専門外来
- 濾胞腺腫(ろほうせんしゅ): 内分泌科、甲状腺専門外来
- 機能性甲状腺結節: 内分泌科、甲状腺専門外来
- 悪性腫瘍(がん): 外科(甲状腺外科)、内分泌科、がん専門センター
上記のとおり、甲状腺専門外来や内分泌科を受診するケースがほとんどです。首が腫れた際は、甲状腺専門外来や内分泌科に相談しましょう。
眼球突出の際に疑われる病気
眼球突出の場合は、バセドウ病が疑われます。バセドウ病では、外眼筋や眼窩脂肪に炎症が起きます。その結果、炎症による腫れで眼窩内の圧力が高まり、眼球が押し出されます。そして、眼球突出になるわけです。
参考:日本甲状腺学会「「バセドウ病悪性眼球突出症(甲状腺眼症)の診断基準と治療指針」
眼球突出はどの病院に行けばいい?
眼球突出の際はバセドウ病が疑われるため、先述のとおり、内分泌科や甲状腺専門外来を受診してください。
診療科に向かうと、さまざまな方法で診断がなされます。臨床所見と検査所見によって該当項目を満たすと、バセドウ病と診断されます。場合によっては「確からしいバセドウ病」「バセドウ病の疑い」と診断されることも考えられます。
参考:一般社団法人 日本甲状腺学会「甲状腺疾患診断ガイドライン2021」
首の腫れや眼球突出時のNG行動と対応策
首の腫れや眼球突出の際には控えるべき行動があります。まず首の腫れでは、腫れている箇所のマッサージは控えてください。腫れている部分をマッサージしても、腫れがひくわけではないからです。
逆に外圧がかかることで、甲状腺組織にダメージを与える可能性があります。内部で出血が起これば、症状の悪化も懸念されるため、腫れた部分のマッサージは控えましょう。
ただし、首の腫れはさまざまな疾患が考えられるため、早めに医療機関を受診してください。また、眼球突出では兆候があった際も速やかに受診しましょう。眼球突出ではいくつか警戒すべき兆候があります。
- 視力障害または視力の低下
- 複視
- 眼痛または眼の発赤
- 頭痛
- 発熱
- 突出した眼球の拍動
- 新生児や小児における眼球の突出
上記の兆候が見られたら、早めに医療機関を受診してください。首の腫れ、眼球突出がバセドウ病によるものであれば、日常生活の見直しも必要です。例えば、喫煙はバセドウ病の症状を悪化させたり治療の効果を低減する可能性があります。
参考:日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎甲状腺クリニック
他にもストレスをためずに規則正しい生活を送ったり、適度な運動をしたりすることが大切です。
また、万が一、首の痛みが強くなったり呼吸困難に陥ったら、救急医療を求めてください。
受診する際のポイント
首の腫れや眼球突出で医療機関を受診する際は、いくつかのポイントがあります。まずは、症状の記録をつけておくことです。「いつから首が晴れてきたか」「痛みがいつごろから出てきたか」などを控えておき、医師に伝えるとより正確な診断をしてくれるでしょう。
他にも過去の健康状態や既往症、家族の病気歴なども伝えると、診断に活かされます。不安な点があれば自ら質問することも大切です。
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「首の腫れが心配 ひょとして甲状腺の病気かも?」
眼球突出でお悩みの場合は当院へ
首の腫れや眼球突出は、バセドウ病などの甲状腺疾患やその他の病気が懸念される症状です。これらの症状が現れたら、自己診断を避け、適切な診療科の専門医による診断と治療を受けることが重要です。
なお、当院では眼球突出でお悩みの方に、元ステロイドパルス療法など、ダウンタイムの少ない治療を提供しております。患者様それぞれの状況に合わせて適切な治療方法を提供しますので、まずはお気軽にご相談ください。