前立腺がん再発予防！標準的な対策や食生活、免疫療法

前立腺がんの治療を終えた後、再発の不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、再発を防ぐための対策は多岐にわたります。

定期的な検査や適切な治療の継続、そして生活習慣の見直しなど、出来ることは沢山あるのです。

本記事では、前立腺がんの再発リスクを低減するための具体的な方法をご紹介します。

標準的な治療後の対策から食生活の改善、免疫療法まで、幅広く解説していきます。

前立腺がん再発の指標

前立腺がんが再発しているかどうかは検査により診断します。

主な指標を3つ紹介します。

グリソンスコアと再発リスクについて

グリソンスコアは、前立腺がんの悪性度を評価するための指標です。

生体検査で採取したがん組織の形態をもとに、1から10までのスコアで評価します。

スコアが高いほどがんの悪性度が高く、再発リスクも上がります。

具体的には、グリソンスコアが6以下の場合は低リスク、7は中リスク、8以上は高リスクとされます。

PSA値

PSA（前立腺特異抗原）値は、前立腺がんの進行や再発を監視するための指標です。

PSA値が高いほど、がんの存在や再発の可能性が高まります。

通常、PSA値が10ng/mL以下であれば、再発リスクが低いと診断されます。

特に、PSA値が20ng/mLを超える場合は、再発の可能性が非常に高いとされています。

病期（ステージ）と再発の関係

前立腺がんの病期（ステージ）は、がんの進行度を示す指標です。

病期は、がんの広がり具合や転移の有無によって分類されます。

一般的に病期が進むほど再発リスクも高まります。

例えば、病期T1やT2のがんは前立腺内にとどまっているため、再発リスクは比較的低いです。

しかし、T3やT4のがんは前立腺を越えて広がっているため、再発リスクが高まります。

標準的な治療後の再発予防策

前立腺がんの治療後、再発を防ぐためにいくつかの対策があります。

ここでは、定期的なPSA検査、ホルモン療法の継続について解説します。

定期的なPSA検査の重要性

PSA（前立腺特異抗原）検査は、前立腺がんの再発を早期に発見するために重要です。

PSAは前立腺がんの存在を示す血液中のタンパク質で、治療後も定期的に測定することが推奨されます。

PSA値が上昇すると、再発の可能性が高まるため、早期に対処できます。

参考：国立がん研究センター がん対策研究所

ホルモン療法の継続

前立腺がんは男性ホルモン（アンドロゲン）に依存して成長するため、ホルモン療法によりアンドロゲンの供給を抑制します。

治療後もホルモン療法を継続することで、がんの再発リスクを低減できます。

ただし、ホルモン療法には副作用があるため、医師と相談しながら継続することが大切です。

参考：前立腺癌に対するホルモン療法について

食生活改善による再発予防

前立腺がんの再発を防ぐためには、生活習慣の見直しも大事です。

特に食生活の改善は、再発リスクを低減する効果が期待されます。

野菜中心の食事

野菜中心の食事は、前立腺がんの再発予防に効果的です。

野菜にはビタミンやミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれており、これらががん細胞の成長を抑制する作用があります。

特にブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜は、がん予防に有効とされています。

参考：東京慈恵会医科大学附属病院

肉類・乳製品の摂取制限

肉類や乳製品の過剰摂取は、前立腺がんの再発リスクを高める可能性があります。

これらの食品には飽和脂肪酸が多く含まれており、飽和脂肪酸の摂取が多いとがん細胞の増殖が促進されるケースがあるのです。

そのため、肉類や乳製品の摂取を控え、代わりに魚や豆類を積極的に摂ることが推奨されます。

参考：非営利型一般社団法人 あきらめないがん治療ネットワーク

トマトやニンジンなどの積極的摂取

トマトやニンジンなどの特定の食品には、前立腺がんの再発予防に効果がある成分が含まれています。

たとえば、トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用が強く、がん細胞の成長を抑制するとの見方もあります。（賛否あり）

また、ニンジンに含まれるベータカロテンも、免疫力を高める効果があり、がん予防に期待できます。

参考：東京慈恵会医科大学附属病院

前立腺がんにおける免疫療法

ここからは、免疫チェックポイント阻害薬の概要、前立腺がんにおける免疫療法の現状、そして副作用について解説します。

免疫チェックポイント阻害薬の概要

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫システムを抑制するのを防ぐ薬です。

通常、がん細胞は免疫細胞の働きを抑えることで生き延びますが、免疫チェックポイント阻害薬はこの抑制を解除し、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにします。

代表的な薬には、ニボルマブ（オプジーボ）やペムブロリズマブ（キイトルーダ）があります。

前立腺がんにおける免疫療法の現状

前立腺がんに対する免疫療法は、まだ研究段階のものもあり、効果が限定的とされています。

今後の研究結果にも期待したいところです。

副作用と管理の重要性

免疫チェックポイント阻害薬には予測できないさまざまな副作用が伴います。

例えば、皮膚の発疹、下痢、肝機能障害などが報告されています。

これらの副作用は、免疫システムが過剰に反応することで発生します。

副作用の管理は非常に重要であり、治療を受ける前に医師と十分に相談し、副作用が発生した場合の対策を確認しておくことが必要です。

前立腺がんの再発予防に努めましょう

前立腺がんの再発予防には、多角的なアプローチが重要です。

定期的なPSA検査やホルモン療法の継続といった医学的な対策はもちろん、日々の食生活の見直しも大切です。

野菜中心の食事や特定の食品の積極的な摂取は、再発リスクの低減に役立つ可能性があります。

また、免疫療法など新しい治療法の可能性にも期待が高まっています。

再発への不安は尽きないかもしれませんが、できることから一つずつ取り組んでいきましょう。