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免疫治療の偽物と本物の見分け方とは?保険適用、副作用も解説
「免疫治療の偽物と本物ってどうやったら見分けがつくの?」
「保険適用や副作用についても気になる」
免疫治療について調べている方は、このように悩んでいるのではないでしょうか。
免疫治療の偽物と本物を見分けるためには、見分けるための知識を付けておく必要があります。
また、医師への質問についても理解しておくと、さらなる検討材料を得ることが可能です。
今回の記事では免疫治療の偽物と本物の見分け方、免疫治療の副作用、医師への質問方法について解説します。
これから免疫治療を受けようか悩んでいる方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
そもそもがんの免疫治療とは?
がんの免疫治療とは、免疫の力を利用してがん細胞を攻撃して治療する方法です。
免疫細胞と呼ばれる白血球が主な役割を担っており、がん細胞を攻撃します。
白血球の中でもT細胞(Tリンパ球)が主に攻撃を行っているため、特に重要な細胞です。
免疫治療では、薬によってT細胞を活性化させて攻撃する力を高めます。
効果が証明された免疫療法はまだ一部であり、治療法や薬ごとに対処できるがんの種類も限られているのが現状です。
参照:がん情報サービス
免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療法
免疫療法の1つとして、免疫チェックポイント阻害薬といって免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬があります。
T細胞の表面には「異物を攻撃しない」という命令を受けるアンテナがあり、その作用をがん細胞が悪用しがん細胞が排除されなくなります。
そこでT細胞にブレーキがかからないようにするのが、免疫チェックポイント阻害薬です。
免疫チェックポイント阻害薬を用いることで、T細胞にブレーキがかからないようにしてがん細胞を攻撃し始めます。
免疫チェックポイント阻害薬で対処できるがんは、2020年8月に以下の7つと公表されています。
- 悪性黒色腫
- 非小細胞肺がん
- 腎細胞がん
- ホジキンリンパ腫
- 頭頸部がん
- 胃がん
- 悪性胸膜中皮腫
参照:がん情報サービス
エフェクターT細胞療法
エフェクターT細胞療法は患者自身のT細胞を体外に取り出し、T細胞にがん細胞を見分けられる遺伝子を組み入れて増殖してから、再び体の中に戻す手法です。
上記の作業を行うことで、がん細胞への攻撃力が高まったT細胞を体内に取り入れられます。
国内で現在受けられるエフェクターT細胞療法は、CAR-T療法のみです。
CAR-T療法は、血圧や酸素濃度の低下や臓器への障害が起きるサイトカイン放出症候群、意識障害などの副作用があるため、基本的には入院して治療を行います。
効果的な治療法ですが、副作用もその分大きいのが難点といえるでしょう。
偽物の免疫治療を受けるのは非常に危険
現在、効果が明らかな免疫療法は限られており、治療効果があるがんの種類もわずかです。
自由診療の免疫療法を受けると、どのような効果が出るかわからないのでリスクが高いといえます。
また、治療費に関しては、患者が全額自費で支払う必要があるのも難点です。
自由診療の免疫療法の中には偽物もあるため、なるべく効果が証明された免疫療法を選ぶように心がけましょう。
本物の免疫治療を受けるメリット
効果が証明された免疫治療は従来の化学療法で起こりうる、吐き気や脱毛などの副作用は少ないとされています。
そのため、体への負担を抑えたうえでがんの予防を実現することが可能です。
免疫治療はまだ発展途上している最中ですが、効果が証明された免疫治療の中には保険適用を受けられる場合があります。
免疫治療を受ける際には、自分が受ける内容が保険適用されるのか、医師に必ず確認しましょう。
免疫治療の偽物と本物の見分け方
免疫治療の見分け方として、主に以下の4つが挙げられます。
- 保険診療かどうか
- 特許を用いた方法かどうか
- 論文を出しているかどうか
- 医師自身が治療に使ってるかどうか
実際に使えるテクニックなので、1つずつ見ていきましょう。
1. 保険診療かどうか
自由診療として行われる免疫療法は、治療効果が証明されていません。
保険適用され効果が証明された免疫療法と異なり、自由診療として行われる免疫療法は、医療として確立されていないのが難点です。
治療効果が定かでないうえに、かかる費用も高額になる傾向があります。
- 「医学的に信用できる免疫治療を受けたい」
- 「なるべく治療にかける費用を抑えたい」
このように考えている場合は、保険診療かどうか必ず確認しておきましょう。
2. 特許を用いた方法かどうか
免疫治療の偽物と本物を見分ける際は、特許取得の有無も重要なポイントです。
特許取得している免疫治療は、どのような治療なのか詳しく明記されています。
研究結果も詳しく出ている場合が多く、より信頼性の高い治療として確率されている可能性が高いです。
信頼性を確かめるためにも医師に確認する際は、特許を用いた方法かどうか聞いてみましょう。
3. 論文を出しているかどうか
論文を出している治療法であればデータ、治療法、検査結果などが詳しく記述されています。
その免疫治療がどのようなものなのか明確化されているため、信憑性が高い傾向にあります。
どのような臨床実験を行ったのかまで詳しく記述されている論文があれば、信頼性は高いといえるでしょう。
4. 医師自身が治療に使ってるかどうか
医師自身が治療に使っている免疫治療であれば、より信頼性に優れています。
実際に自分に治療を行って、どのような効果が出たのか確認できると理想的です。
術後の副作用も含めて、医師から詳しく話を聞いてみると良いでしょう。
免疫治療の副作用
効果が医学的実証された免疫治療の場合でも、副作用が発生します。
例えば、免疫チェックポイント阻害薬の例では以下の副作用が挙げられます。
- 高熱
- 発熱
- だるさ
- リンパ節の腫れ
- 視力低下
- 甲状腺の腫れ
- 胸の痛み
- 吐き気
- 筋力の低下
全身に現れる場合もあれば、特定の箇所のみに現れる場合もあるので注意が必要です。
免疫治療の副作用は個人差がありますが、どのような症状が出るのかは医師にも必ず確認しておきましょう。
副作用が出た場合は抑える治療が必要
治療を受けた機関に関わらず、副作用が出てしまった場合は抑えるための治療が必須です。
副作用を抑える場合は、ステロイド剤、免疫抑制剤などを使用するのが一般的です。
免疫療法を行う場合は、病院側が副作用に対応できる体制を整えている必要があります。
免疫治療を受けるか検討する際は、副作用を抑える治療に対応しているか必ず確認しておきましょう。
免疫治療を受ける際に医師に確認すべき4つのポイント
免疫治療を受ける際に医師に確認すべきポイントとして、以下の4つがあります。
- 効果実証の有無
- 治療する期間
- 副作用と対策
- 治療にかかる費用
重要なポイントなので、免疫治療を受ける場合は必ず確認しておきましょう。
1. 効果実証の有無
免疫治療を受ける際に確認すべきポイントとして、効果実証の有無が挙げられます。
信頼性に関わる部分なので、優先して確認しておくと良いでしょう。
実際に確認して、信用できないと感じた場合は治療を受けない決断をすることも大切です。
医師へ質問する場合は、以下の例を参考にしてみてください。
- この治療は既に効果が実証されていますか?
- この治療に関する論文は確認できますか?
- 臨床試験を行い、効果を実証されている治療ですか?
- 効果が出ない場合はどのように対応してもらえますか?
2. 治療する期間
免疫治療を受ける際は、治療する期間も確認しておくと良いでしょう。
免疫治療を受ける場合は副作用が出る可能性があるので、期間を知っておくことで予定が立てやすくなります。
医師へ質問する場合は、以下の例を参考にしてみてください。
- どのぐらいの期間、治療が必要ですか?
- 期間にあわせて治療内容は変わりますか?
- 治療する場合はどのようなスケジュールになりますか?
3. 副作用と対策
免疫治療は効果が実証されているものでも、副作用が出る可能性があります。
いつ、どのタイミングで症状が出るのかわからないので、万全の対策をしておくのが大切です。
免疫療法を受ける前に、以下の例を参考にして医師に確認しておきましょう。
- この治療法では過去にどのような副作用が起きましたか?
- 副作用が起きた場合はどうすればいいですか?
- 副作用が起きた場合は、対応してもらえますか?
- 今、治療を受けている別の病院の医師との連携は可能ですか?
4. 治療にかかる費用
現在検討している免疫療法が、保険診療で受けられるのか確認しておきましょう。
「自由診療として行われる免疫療法」の場合、治療費を全額負担する必要があるので注意が必要です。
以下の例を参考にして、費用について確認しておきましょう。
- こちらの治療は保険診療で受けられますか?
- 治療費は自由診療ですか?保険診療や保険外併用療養費制度が適用されない理由について教えてください。
- 副作用の治療も含めてどのぐらいの費用がかかりますか?
まとめ
免疫治療の中には医学的に効果が実証されていないだけではなく、偽物の治療も存在します。
偽物の免疫治療を受けてしまうと、効果のない治療に対して高額の費用を支払うことになりかねません。
免疫治療を受ける場合は、医学的に効果が証明されている信頼性の高いものを選ぶことが大切です。
「現在、免疫治療に興味がある」「受けようか悩んでいる免疫治療がある」と考えている場合は、今回の記事を参考に検討してみてください。