がん免疫治療と放射線治療の違いとは?かかる費用や副作用の違いも解説

「がん免疫治療と放射線治療ってどこが違うの?」

「副作用や費用に違いはあるの?」

このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

免疫治療と放射線治療は違いが多いため、しっかりと把握しておく必要があります。

それぞれの違いを理解しておくことで、どの治療を受けるべきか理解できるでしょう。

今回の記事では、がん免疫治療と放射線治療の違い、それぞれの治療法における今後の課題などについて解説します。

がん治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそもがんの免疫治療とは? 

がんの免疫治療とは、免疫の力を利用してがん細胞を攻撃し治療する方法です。

免疫細胞と呼ばれる白血球が主な役割を担っており、がん細胞を攻撃します。

白血球の中でもT細胞(Tリンパ球)が主に攻撃を行っているため、特に重要な細胞です。

免疫治療では、薬によってT細胞を活性化させて攻撃する力を高めます。

ただし、効果が証明された免疫療法はまだ一部であり、治療法や薬ごとに対処できるがんの種類も限られているのが現状です。

参照:がん情報サービス

がんの免疫治療の主な効果

がんの免疫治療の主な効果として、がんの再発や転移を防ぐ効果があることが挙げられます。

治療後は長期にわたって自己免疫が強化されるので、がん細胞に対して耐性を得ることが可能です。

効果が出た場合は全身に効果が及ぶため、がんの脅威から自分の身を守ることにつながります。

ただし、効果には個人差があり、中には効果を実感できない人もいるので注意が必要です。

主治医のアドバイスを聞いたうえで、免疫治療を受けるかどうか決めましょう。

がんの免疫治療にかかる費用

がんの免疫治療にかかる費用の目安として、200〜400万円あたりが想定されます。

ただし、がんの免疫治療は公的保険が適用されないものが多く、さらに費用がかかる場合もあるので注意が必要です。

自由診療となった場合は、治療費を全額支払う必要があるので大きな負担が発生します。

主治医に話を聞いたうえで、自分の予算で支払えるかどうか判断して治療を検討しましょう。

がんの放射線治療とは?

がんの放射線治療はエックス線、電子線、ガンマ線などの放射線を使い、がんを除去する治療法です。

がん細胞内の遺伝子にダメージを与え破壊し、がんの完治を狙います。

治療時にはがん細胞だけではなく、正常ながん細胞にもダメージを与えてしまいますが修復する作用があります。

患者さんの状態とあわせて放射線治療のみを行うこともありますが、他の治療法を組み合わせる場合もあるでしょう。

薬物療法と組み合わせることもあるので、主治医に確認しておくのがおすすめです。

がんの放射線治療の主な効果

がんの放射線治療の主な効果として、がん細胞の根絶が挙げられます。

エックス線、電子線、ガンマ線などの放射線でがん細胞を破壊し、根絶することで完治や転移の抑止につなげることが可能です。

また、場合によっては死滅させるだけではなく、がんをできるだけ小さくしておき手術をしやすくするケースもあります。

薬物療法と併用する際は、さらに骨髄を生着させるという手術方法が用いられる場合もあるので、覚えておくと良いでしょう。

がんの放射線治療にかかる費用

患者さんの状態にもよりますが、30〜40万円あたりが相場とされています。

ただし、先進医療扱いになる放射線治療の場合は全額自己負担になり、さらに負担が増えるので注意が必要です。

放射線治療の種類によっても相場が変わるので、主治医に相談したうえで正確な費用を算出しましょう。

がんの免疫治療と放射線治療の違い

がんの免疫治療と放射線治療の違いとして、主に以下の3つがあります。

  1. 免疫治療は医学的に証明されたものが少ない
  2. 放射線治療は正常細胞にもダメージがある
  3. 放射線治療特有のデメリットがある

それぞれの違いについて、見ていきましょう。

1. 免疫治療は医学的に証明されたものが少ない

化学療法は医学的に証明されているものが多く、高価ではあるものの保険適用が受けられます。

ただし、免疫療法は医学的に証明された治療がまだ少なく、現在も臨床実験が行われているものがほとんどです。

医学的に証明された治療でない限り、保険適用は受けられず治療費を全額支払う必要があります。

予算が限られているという場合は、保険適用が受けられる免疫治療を探しましょう

2. 放射線治療は正常細胞にもダメージがある

放射線治療はがん細胞を集中的に破壊できる治療法ですが、正常細胞にもダメージを与えてしまいます。

正常細胞に与えてしまうダメージは、がん細胞よりも大きなものになっています。

患者さんの負担を減らすため、放射線の量を小分けにして手術を行うことがほとんどです。

正常細胞を回復させつつ、がん細胞を破壊できるため効果的です。

3. 放射線治療特有のデメリットがある

放射線治療はメリットだけではなく、特有のデメリットもあります。

例として治療後にすぐ発生する急性の放射線障害半年以上して現れる遅発性の放射線障害が挙げられるでしょう。

急性の放射線障害の症状として、皮膚のかゆみ水ぶくれ吐き気脱毛などがあります。

また、遅発性の放射線障害として、血管や細胞の壊死によって機能不全などが挙げられます。

部位ごとによって副作用が変わってくるため、主治医に確認したうえで治療に臨みましょう。

がんの免疫治療における副作用

効果が医学的実証された免疫治療の場合でも、副作用が発生します。

例えば免疫チェックポイント阻害薬の例だと、以下の副作用が挙げられます。

  • 高熱
  • 発熱
  • だるさ
  • リンパ節の腫れ
  • 視力低下
  • 甲状腺の腫れ
  • 胸の痛み
  • 吐き気
  • 筋力の低下

全身に現れる場合もあれば、特定の箇所のみに現れる場合もあるので注意が必要です。

免疫治療の副作用は個人差がありますが、どのような症状が出るのかは医師にも必ず確認しておきましょう。

がんの放射線治療における副作用

がんの放射線治療における副作用として、以下の例が挙げられます。

急性の副作用・疲労感、だるさ、倦怠感・食欲不振・貧血・皮膚の変化
遅発性の副作用・二次がんの発生・妊娠や出産への影響・部位ごとによる細胞の壊死

現在では照射限度を超えないように調整されますが、副作用が発生するリスクはあります。

副作用が発生しないという保証はないので、治療後も定期的な診察を行い様子を見ましょう。

がんの免疫治療における今後の課題

がんの免疫治療の今後の課題として、保険適用される治療の拡大が挙げられます。

未だ研究途中の治療法が多く、保険適用が受けられる治療が少ないのが難点です。

より多くの人が治療を受けられるように、さらに改善していかなければなりません。

また、中には悪徳業者による免疫治療が行われている場合もあります。

偽物の免疫治療を撲滅するという意味でも、医学的に認可された免疫治療を増やすことが大切です。

がんの放射線治療における今後の課題 

がんの放射線治療における今後の課題として挙げられるのが、副作用の改善です。

中には生活しづらくなるような副作用もあるため、今後の改善が期待されています。

副作用のフォローアップの注意副作用が発生した際の治療法の確立なども課題として挙げられるでしょう。

手術を受けた後も長期間に渡って、患者さんを支える仕組み作りが課題とされています。

まとめ

がんの免疫治療と放射線治療はそれぞれ違う効果があるうえに、副作用や費用の相場も異なります。

場合によってはどちらか一方ではなく、併用したうえでの治療を受けることもあるでしょう。

今回の記事を参考にしつつ、手術を受ける場合は主治医のアドバイスを受けることが大切です。

これからがんの治療を受けたいと考えているのであれば、1つでも多くの情報を得るように心がけましょう。

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