【男女別】がん種別の罹患率順位|かかるとタチの悪いがんと予防法について

がん種別の罹患率ってどれぐらいなんだろう?」

「かかるとタチの悪いがんって何があるの?」

このように悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

がんの罹患率は、男女によって差があるため、それぞれ確認することが大切です。

今回の記事ではがん種別の罹患率を男女別でピックアップしています。

がんの特徴や、全体の割合も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

【男性版】がん種別の罹患率順位TOP5

男性のがん種別の罹患率順位は、以下の通りです。

  1. 前立腺がん
  2. 大腸がん
  3. 胃がん
  4. 肺がん
  5. 肝臓がん

ここからはそれぞれの顔の特徴、全体での割合について見ていきましょう。

※使用データ:日本対がん協会(2019年版)

1. 前立腺がん

前立腺は男性にのみあり膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲むようにして存在している臓器です。

2019年には男性がん患者全体の16.7%を占めており、最も罹患率が多いがんだったとされています。

罹患率は高い傾向にありますが、比較的ゆっくり進行するという特徴があります。

早期に発見すれば完治できるので、初期症状を見つけた場合はすぐに検査を受けることが大切です。

尿が以前より出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出てきた場合は前立腺がんの可能性を疑ってみましょう

2. 大腸がん

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に腺腫という良性のポリープががん化して発生するものです。

2019年の男性がん患者全体の15.5%を占めており、罹患率としては2番目に多いがんとなりました。

早期の段階で初期症状が分かりづらく、気づいた時には進行が進んでいたということもめずらしくありません。

代表的な症状としては、大便に血液が付着している血便の排出が挙げられるでしょう。

できるだけ早く対処するためにも、血便が出た場合はすぐに病院で検査することが大切です。

3. 胃がん

胃がんは胃壁の内側をおおう粘膜の細胞になんらかの異常が起きてがん細胞になり、増えていくことで発生します。

2019年の男性がん患者の15.1%が胃がんで、罹患率として3番目に多いがんでした。

胃がんは初期症状が分かりづらいだけではなく、進行が進んでも症状がわかりにくいのが難点です。

症状としては胃の痛み・不快感・違和感などが挙げられますが、一時的なものとみなされて放置されることがあります。

過度な胃の痛み・不快感・違和感が継続する場合は、内科や消化器内科などの診察を受けましょう。

4. 肺がん

肺がんは、2019年の男性患者全体の14.9%の割合を占めるがんでした。

肺がんは、気管支や肺胞の細胞がなんらかの異常でがん細胞化することで発症します。

進行して初めて症状が出ることも多いので、気づくのに遅れてしまう場合があります。

代表的な症状としては、血痰、胸の痛み、動機などが挙げられるので、なかなか治らない場合は身近な医療機関を受診しましょう。

肺がんはたばこを吸っていない人でもかかるので、初期症状がみられる場合は診察を受けることをおすすめします。

5. 肝臓がん

肝臓がんは肝臓の細胞に何らかの異常があり、がん化したものを指します。

2019年の男性がん患者の4.5%が肝臓がんでした。

肝臓の慢性的な炎症や肝硬変がある方は、肝臓がんになる可能性が高いとされています。

初期症状がわかりづらい傾向にあるため、肝機能に異常があるという方は定期的な検査を受けることがおすすめです。

アルコールをよく飲むという方は、特に注意しておきたいがんの1つといえるでしょう。

【女性版】がん種別の罹患率順位TOP5

女性のがん種別の罹患率順位は、以下の通りです。

  1. 乳がん
  2. 大腸がん
  3. 肺がん
  4. 胃がん
  5. 子宮がん

詳細について見ていきましょう。

※使用データ:日本対がん協会(2019年版)

1. 乳がん

乳がんは乳腺の組織にできるがんで、多くは乳管から発生することが多いとされています。

2019年の女性がん患者全体の22.5%が乳がんで、最も多い割合を示していました。

乳がんの初期症状は胸のしこりであることが多く、比較的見分けやすいとされています。

他にも乳頭から分泌物が出るといった症状も挙げられるので、見つけ次第病院での検査を受けましょう。

乳がんは女性だけではなく、男性にも発生することがあるので注意が必要です。

男性でも胸のしこりや乳頭から分泌物が出るなどの症状がある場合は、早期の検査を受けましょう。

2. 大腸がん

2019年のがん患者は男性、女性ともに大腸がんが2番目に多かったというデータが出ています。

女性がん患者の場合は全体の15.7%を占めており、乳がんに次いで多いがんだったとされています。

大腸がんは年齢とともに罹患率が高まっていき、男女ともに40歳ごろから増えていく傾向にあるので注意が必要です。

大腸がん患者は増えている傾向にあり、その背景には食生活の欧米化の影響による動物性タンパク質や脂肪分の摂りすぎが挙げられます。

予防を行うためにも、普段の食事メニューを見直して対策すると良いでしょう。

3. 肺がん

男性と同じく、多くの女性が肺がんを発症しています。

2019年の女性がん患者全体の9.8%が肺がんだったとされており、罹患率としては3位という結果が出ました。

女性が肺がんを発症する理由として、女性特有の生殖関連要因やホルモン剤の使用が考えられています。

人工的に閉経しホルモン剤を使用したケースだと、肺がんの発生率が高くなるというデータも出ているほどです。

出典:国立がん研究センター

ホルモン剤に含まれる外因性エストロゲンを吸収することで、がん化を促進する作用があると考えられています。

4. 胃がん

2019年の女性がん患者全体の9.0%が、胃がんだったとされています。

女性で特に気を付けたいのが、若い年齢でかかりやすいスキルス胃がんです。

スキルス胃がんは腹膜への転移を起こしやすく、腹膜に再発するリスクがあることから危険性が高いと言われています。

スキルス胃がんは進行も早いため、胃の痛み・不快感・違和感や血便などの初期症状がある場合は、すぐに身近な医療機関で検査を受けましょう。

5. 子宮がん

子宮がんは女性のみがかかるがんの1種です。

2019年の女性がん患者の6.7%が、子宮がんでした。

子宮がんは子宮体部の「子宮体がん」子宮頸部にできる「子宮頸がん」に分類されます。

子宮体がんの初期症状は出血で、月経ではない期間や閉経後に出血がある場合は子宮体がんを疑うことが大切です。

一方で子宮頸がんは子宮の入り口付近に発生することが多く、婦人科の診察で比較的発見されやすい傾向にあります。

ただし、進行すると治療が難しいがんとされているため、早期発見が重要です。

子宮頸がんは早期に自覚症状が出にくいため、定期的に検査を受けるように心がけましょう。

かかるとタチの悪いがんTOP5とその予防法 

かかるとタチの悪いがんとして、以下の5つが挙げられます。

  1. 肺がん
  2. 胃がん
  3. 大腸がん
  4. 乳がん
  5. 肝臓がん

ここからはそれぞれのがんのタチが悪い理由、予防法について見ていきましょう。

※使用データ:日本対がん協会(2020年版)

1. 肺がん

肺がんは2020年の男性がん患者の死亡数で1位女性がん患者の死亡数で3位と高い数値を誇っています。

末期まで症状が進んでしまうと肺の機能が弱り切ってしまい、手術に耐えきれないこともあるほどです。

肺がんの予防法としては、禁煙が一番効果的といわれています。

タバコを吸わないだけではなく、副流煙を避けることも対策の1つです。

喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍肺がんになるというデータも出ているため、タバコは早い段階でやめるようにこころがけましょう。

参照:国立がん研究センター

2. 胃がん

胃がんにおける死亡数は2020年の男性がん患者の死亡数で3位女性がん患者で6位とされています。

胃がんは早期で自覚症状がほとんどなく、進行しても症状がないことがあるためかかると厄介です。

胃がんの原因としてはピロリ菌の感染、塩分が多い食事の継続、過剰なアルコール摂取等が挙げられます。

ピロリ菌の感染経路は現在でもわかっていないため、対策が難しいとされています。

一方で塩分が多い食事やアルコール摂取に関しては、容易に対策が可能です。

普段の食生活を見直し、減塩やアルコール摂取頻度の低下を心がけましょう。

3. 大腸がん

大腸がんにおける死亡数は2020年の男性がん患者の死亡数で4位、女性がん患者で2位とされています。

大腸がんは初期症状が出づらく、進行してから出てくることが多いのが厄介なポイントです。

大腸がんを早期発見するためには、定期的にCT検査を受けると良いでしょう。

大腸がんの原因としては、生活習慣が大きな関係があるとされています。

喫煙、飲酒、肥満は特に関係性が深いと言われているため、生活習慣の見直し、運動習慣の定着などで対策を図りましょう。

4. 乳がん

乳がんは、2020年の女性がん患者で5位の死亡率を誇るがんです。

乳がんは血液やリンパ液の流れに乗り、転移しやすいのが厄介なポイントとされています。

現在でも発生する原因は解明されていませんが、女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌肥満や喫煙など生活習慣が関連しているとされています。

乳がんは罹患率も高いため、予防をするだけではなく定期的な健診を受けて早期発見に努めると良いでしょう。

5. 肝臓がん

肝臓がんは2020年の男性がん患者で6位、女性がん患者で7位の死亡率のがんです。

肝臓がんは初期には自覚症状がわからないことがほとんどで、定期的な健診を受けて発覚することがほとんどです。

肺やリンパ節、副腎、脳に転移することもあり、厄介ながんの1つとされています。

ウィルスの感染も原因としてありますが、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などの肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が多いとされています。

アルコールをよく飲むという方は、摂取を控えることはもちろん定期的な検査を受けましょう。

まとめ

がんは性別によって罹患率が異なり、男性と女性で気を付けるべきがんも違います

がんによっては初期症状が出て分かりやすいものもありますが、中には進行しても症状がでないものもあります。

がんの思わぬ進行を防ぐためにも、定期的な診断を受けることがなによりも大切です。

また、がんの原因としては生活習慣が関わっていることも多いので、普段の生活についても見直しを図って対策すると良いでしょう。

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