「がん」の再発とは?その要因や引き起こされる状態

がん再発とは

「がん」の多くは、生存率や再発率などをある程度データとして出されています。そして、多くの「がん」では、5年間再発せずに生存することで、がんが「治った」と判断できるようになります。

5年を経過してから、再発することは稀だとも考えられています。

しかし、治療を施して「がん」を取り除いたとしても、5年以内に再発してしまうことも多くあるのです。

ここでは、がん再発の定義や再発する要因、再発で引き起こされる身体の変化や状態について詳しく解説します。

がん再発の治療を受けるためにも、「がんの再発」について理解を深めていきましょう。

目次

「がん」の再発とは?

「がんの再発」と一言でいっても、その状態はさまざまです。遺伝子要因か外的要因か、患者さん自身の体質、免疫力によっても変わります。

がんの悪性度や原発部位なども複雑に関わってくるでしょう。そして、必要となる検査や治療方法、予後なども大きく変わってきます。

このように「がんの再発」は、患者さんによって再発するかどうかも変わる上に、たどる経過も異なるということです。

では、正常な細胞が「がん化」して増殖し、治療を行ったとしても再発してしまう仕組み・特徴について解説していきましょう。

完全に「がん」を取り切れていない場合

「がんの再発」が起こる要因として、手術で完全にがんを取り切れていなかったり、抗がん剤治療や放射線治療で小さくしたがんが、再び増大・増殖したりといった状態が考えられます。

がん治療は、がんを取り除いたり小さくしたりといった治療法になります。手術では広範囲になるがんの場合は、あらかじめ抗がん剤や放射線治療でがんを小さくしてから、手術を行う場合もあります。

しかし、完全にがんを取り除けないほど小さながんもあるでしょう。精密検査でも見えないほどの小さながんの場合は、大きくなってから発見されることもあるのです。

このように、がん治療を行ったとしても、完全にがんを取り切れていない場合は再発するリスクも高まります。

他の臓器に広がっていた場合

「がん再発」とは、目に見えないほど微細ながんが大きくなるばかりではありません。がんが発生した臓器から、血液やリンパの流れに沿って別の臓器に移動して増える「転移」という状態も再発と言われます。

特に、リンパの流れが集まる場所やリンパ節があるような部位、脳や肺、肝臓、骨などの血液量が多い臓器に転移することが多いです。

がんを発見した時点で、がんが増殖して他の臓器に転移している場合は、再発しやすいのです。早期発見し、すぐに治療を行った場合は、再発リスクも下がると考えて良いでしょう。

「転移」の他にも、がんが発生した臓器からがん細胞の一部が剥がれ落ちて、密接している腹腔内や胸腔内にがん細胞が散らばってしまう「潘種」のことも、再発と言われます。

これらの要因があることで、治療を施したにもかかわらず再発してしまうのです。

いつ“再発”してしまうのか

近年はがん治療や研究が発展しているため、これまでのデータが蓄積されています。その中で、がんの種類や発生しやすい部位、がんの進行度、治療の経過などから、ある程度再発のしやすさを予測できるようになりました

がんの種類によっては、あらかじめ再発リスクがどの程度か分かっているため、治療の計画を立てる時に役立てられます。

がんの再発で最も高い確率を示す期間は、がんの診断を受けてから5年間までになっています。ただし、5年を過ぎれば再発しないというわけではなく、さまざま要因が複雑に絡みあって、5年経過しても再発する可能性もあるのです。

5年以内にほとんどが再発する臓器、10年経ってから再発する臓器、再発リスクが低い臓器などさまざまです。

たとえば、肝細胞がんは、手術を受けた場合に5年以内の再発率は70~80%と言われています。乳がんの場合は、手術を受けてから10年以内の再発率は約30%となっています。

必ずしも再発するわけではありませんが、逆に絶対に再発しないとも言い切れません。まずはがんと診断されてから「5年間」という期間で、再発リスクがどの程度あるのか予測していくことになります。

この「5年」という期間は、これまで何十年もの間に蓄積された「がん統計」によって決められた期間です。よく「5年生存率」という言葉を耳にしますが、「5年相対生存率」とも呼ばれ、次のような意味があります。

5年相対生存率

あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるか示す指標の1つ。

引用元:がん情報サービス(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

特に、臓器別に統計として出されている「部位別がん5年相対生存率」についても、「がん情報サービス」に掲載しているグラフを参考にしてください。

国立がん研究センターでは、全てのがんを合わせた5年生存率を58.8%と示しています。

このように、がんと診断された患者さんのうち5年生存率は約6割とされており、「5年」という数字は、再発・転移するリスクが高い期間であるということが分かるでしょう。

しかしながら、再発した患者さん全員が5年以内の生存率であるわけではありません。再発リスクが高い場合は、再発を予防するために治療を行うことがほとんどです。

がんの再発が認められた場合の方針

がん再発のリスクやタイミングなどは、ある程度は予測でき、補助療法を行って再発予防の治療ができると言われています。

手術や放射線治療、抗がん剤治療などのがん治療を行った後、定期的に検査を受けて再発していないかチェックしていきます。

その中で、実際に再発が認められる場合もあるでしょう。

再発した場合の治療方針は、これまでと同じような治療を行う場合もありますが、患者さんの体調やがんの状態に合わせて方針を決定していきます。

しかし、がんの悪性度が強い場合や患者さんが高齢で治療に耐える体力・免疫力がない場合もあるでしょう。この場合は、根治が難しいこともあります。

さらに、再発を予防するための生活習慣は確立されておらず、「がんサイバー」として治療後の食生活や運動などの生活を示されています。

このように、がん再発を予防できる方法は現時点ではなく、再発した場合に治療を行うことになります。根治が難しい状態であれば、がんを取り除く方法ではなく、がんの進行を抑えたり症状を和らげる対処方法をしたりといった治療が行われるでしょう。

まとめ

「がん再発」は、がんの発生部位や臓器、進行度、転移の有無などが複雑に絡み合い、患者さんごとに違う経過をたどることが特徴的です。

ある程度の予測ができるため、再発リスクが高いと思われる患者さんに対しては、再発予防の治療を行うことになるでしょう。

ただし、完全に再発を防げるというわけではなく、あくまでも再発リスクを下げるという治療方法です。

その治療方法には、手術や抗がん剤治療、放射線治療といった3大療法が挙げられますが、近年は第4の治療法として、「がん免疫治療」を受ける患者さんも増えてきました。

「がん免疫治療」は、身体に備わっている免疫機能を利用して、がんを攻撃する治療法です。再発予防の選択肢の一つとして、当サイトで詳しく知っておきましょう。

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