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身体のツボ押しで健康に!免疫力アップとの関係性
「ツボを押して本当に意味があるの?」
「免疫力アップのツボの正しい押し方や効果を知りたい」
このように思われている方も多いことでしょう。
寒い季節になると、特に免疫力の低下が気になりますよね。
季節の変わり目や寒暖差が大きくても、体調を整え、感染症に負けない身体を作りたいものです。
本記事では、病気に罹りにくい身体づくりに役立つツボについてご紹介します。
日頃の疲れから、すでに風邪の引きはじめの症状が出てしまっている方も必見です。
ぜひご自身やご家族の健康増進の参考にされてください。
ツボとは?
ツボは、専門用語では「経穴」と呼ばれています。2023年現在、WHO(世界保健機関)で定義づけられている人間の身体のツボは全部で361穴です。この数は厳密な再検討がされるとのことですので、今後はさらに増えるかもしれません。
また、ツボとは東洋医学の「気」の考え方に基づいており、全身のツボは「経絡」という循環経路でつながっています。目には見えませんが生命のエネルギーである気の入口とされているのが全身にあるツボです。
なぜツボ押しで症状が改善するのか?
ツボ押しが身体機能の回復や体調の改善に役立てられているのは、ツボを押すことで気の流れが良くなるためです。
科学的に効果が解明されていない部分は多いですが、ツボのある場所には、血管や神経が集中していることや、身体の他の部位より体温が高いことがわかっているようです。
ツボ押しの刺激で血管が拡張することで血液の流れが良くなり、冷えや痛みの改善に役立ちます。
その他、東洋医学の鍼灸治療では、西洋医学では原因の特定できない痛みを取ったり、さまざまな不調を改善したりすることにも効果を発揮します。
また、2021年の韓国で行われた研究結果で、鍼灸治療が体内のサブスタンスP(※1)という伝達物質の分泌に関与している可能性が示されました。
(※1)サブスタンスPとは、主に嚥下や咳の反射がスムーズになるように神経に働きかける物質のこと。他にも血管拡張や利尿作用、アルツハイマー型認知症の原因となる物質を分解する働きもあり、分泌が不足すると病気の病気や不調を引き起こしかねない重要な物質です。
ツボの押し方
押し方の目安は、5秒押して5秒休憩するを5〜10回程度、心地よいと感じるくらいの強さで行うのがよいでしょう。ツボを指で押す指圧のほかに、つまようじを10本ほど束にして尖っているほうで押す方法もあります。
また、ツボを押すほかに、熱めのシャワーやカイロなどを使って温めるのも効果的と言われています。場合によってはお灸を使うのも良いそうです。
温めることでリラックス効果も高まり、ストレスを解消しながら全身の血行促進効果も期待できます。
免疫力を上げる効果のあるツボ
ツボの刺激には、鍼灸治療では針を使いますが、自分で押しても効果を実感できるツボも多数存在します。
以下では、免疫力アップや身体の不調改善に効果のあるツボをいくつかご紹介します。
大椎(だいつい)
下を向くように首を曲げると、首の後ろの付け根の部分に骨が盛り上がった部分(第7頸椎)があります。そこの少し下のくぼんだところが大椎のツボの場所です。
大椎は、鼻水、のどの痛み、発熱などの風邪の引き始めの症状に効くツボです。
また、自立神経を整え、血流が改善されることで肩こりや首こりの改善にも効果が期待できます。
足三里(あしさんり)
膝の外側から(お皿の下)指四本分下のへこんだ部分にあるのが足三里です。
足三里は、古くから知られている有名なツボで、足腰の疲れを改善し、胃腸の働きを高める効果があります。
「おくのほそ道」で有名な松尾芭蕉も、長い旅の間にこの足三里にお灸を据えていたとの記録が残っているほどです。
他にも胃の不調からくる歯痛や、口臭にも効果があるとされています。
関元(かんげん)
関元はおへそから指4本分下にあるツボです。
関元は非常に多くの不調に効果のあるツボで、不眠症、生理痛、ストレスによる胃腸の症状、にきびや蕁麻疹、頭皮の症状の改善など全身を整える効果が期待できます。
また、万病の元と言われる冷えにも効果が高く、風邪を引きやすい虚弱体質の方にもおすすめのツボです。
関元を刺激する際は、冷えた指で押さないように注意し、呼吸も意識して息を吐きながら、やさしくゆっくりと押しましょう。
井穴(せいけつ)
井穴は、手指の爪の付け根にあり、ツボを押す際は爪をもむように刺激します。痛気持ちいいくらいの強さで両手のすべての指に行います。
自立神経が乱れていると全身の不調が現れ、免疫力の低下につながりますが、井穴は自立神経を整えてくれる効果のあるツボです。
爪もみで井穴のツボ押しは、簡単かつ短時間で行える為、仕事の合間などちょっとした時間にすぐ実行できるのが魅力ですね。
※因みに足の井穴も指先と同じように刺激すると、血行が促進され足先の冷えに効果があるといわれています。
合谷(ごうこく)
合谷は手の甲から見て親指と人差し指の間にあり、万能ツボとも言われているほどさまざまな効果が期待できます。
頭痛や肩こり、目の疲れの改善など、特にデスクワークの方におすすめしたいツボです。
また、腸内の免疫細胞を活性化させる働きもあり、鼻水や鼻詰まりなどの風邪の引きはじめの症状にも効果があるとされています。
さらに、ストレスの緩和や痛みを抑える効果もあるとのことです。
中府(ちゅうふ)
中府は、鎖骨から指1本分下にあり、左右対称になっています。
中府は肺の働きを高める効果があり、風邪を引きやすく呼吸が浅くなりがちな方には特におすすめのツボです。
風邪の初期症状であるのどの痛みや咳、痰の改善のほか、肩や背中、腕の疲労感にも効果が期待できるとのことです。
参考資料
公益社団法人 全日本鍼灸学会 鍼の臨床研究のためのガイドラインと勧告
https://jsam.jp/research/guidelines/
厚生労働省 e-JIM鍼治療
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c02/01.html
公益社団法人 東京都鍼灸師会
森ノ宮医療大学 鍼灸のススメ 鍼灸を知る
https://www.morinomiya-u.ac.jp/shinkyu_susume/learn.php
ハレバレ ツボってそもそも何だろう?痛みに効くツボのお話
https://hc.kowa.co.jp/vantelin/harebare/first_step/vol04/
HelC 最新の医学で解明?「ツボ・メカニズム」
https://www.health.ne.jp/library/detail?slug=hcl_4000_w4003002&doorSlug=tsubo
一般社団法人 日本訪問歯科協会 サブスタンスPとは
鍼灸net 国民のための鍼灸医療推進機構
NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1273.html
HOGUGU media
https://media.hogugu.com/posts/170#head-67ea8f80cac44f1444b04576b48d670b
ツボマスター
参考文献
「代替医療のトリック」の鍼治療に関する記述の問題点
https://jsam.jp/wp/wp-content/themes/shinkyu/content/pdf/objection01.pdf
「代替医療のトリック」に答える
https://jsam.jp/wp/wp-content/themes/shinkyu/content/pdf/objection02.pdf
皮膚に特別な経路(経脈)と部位(経穴)は有るのか-経絡経穴の研究
https://jsam.jp/wp/wp-content/themes/shinkyu/content/pdf/medicine09.pdf
J-STAGE WHO経穴部位国際標準化の経緯と今後
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/57/5/57_5_576/_article/-char/ja/
PubMed鍼シグナル伝達におけるサブスタンス P の役割と効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32956833/
J-STAGE 常用ツボ(良導点)療法(7)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ryodoraku1968/24/3/24_3_61/_pdf/-char/en