乳がん再発予防の基礎知識!生活習慣の改善から薬物療法まで解説

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本ページは、一般的な内容を基に作成していますが、個々の症状や治療法には違いがありますので、具体的な治療については必ず専門の医師やクリニックにご相談ください。

乳がんの治療を終えた後も、再発の不安を抱える方は少なくありません。

「また乳がんになるのではないか」「再発したらどうしよう」そんな思いに駆られることもあるでしょう。

しかし、再発予防にはさまざまな方法があります。本記事では、乳がんの再発リスクとその予防法について詳しく解説します。

目次

乳がん再発の要因

乳がんの再発は、多くの患者さんにとって大きな不安要素です。再発リスクを理解し、適切な対策を取ることが重要です。

まず、再発の統計データを見てみましょう。乳がんの5年相対生存率は92.3%と高いものの、再発率は約30%とされています。特に注意が必要なのは、診断から5年以内の再発です。しかし、10年後、20年後の再発も珍しくありません。

再発リスクを高める要因には、いくつかのポイントがあります。最も重要なのは、がんの進行度(ステージ)です。ステージが進むほど、再発リスクは高くなります。例えば、ステージIの再発率が約10%なのに対し、ステージIIIでは30〜50%に上昇します。

次に、乳がんのタイプも大きく影響します。HER2陽性型やトリプルネガティブ型は、治療後2年間の再発リスクが特に高いのです。一方、ホルモン受容体陽性型は、5年以降も再発の可能性があります。

生活習慣も無視できません。肥満の患者さんは、そうでない方に比べて1.1〜1.3倍再発リスクが高いという研究結果があります。喫煙も再発リスクを高める可能性があるため、禁煙が強く推奨されます。

生活習慣による乳がん再発予防方法

生活習慣の改善は、乳がんの再発予防に大きな効果があります。適切な食事、運動、肥満対策、そして禁煙です。これらの取り組みで再発リスクを下げられる可能性が高まります。

まず、食事と栄養管理から始めましょう。バランスの取れた食事が基本です。野菜や果物を多く摂り、赤身肉や加工肉を控えめにします。大豆製品や魚も積極的に取り入れると良いでしょう。また、アルコールは控えめに。過度な飲酒は再発リスクを高める可能性があります。

運動も重要です。適度な運動は免疫機能を高め、ホルモンバランスを整えます。週に150分の中強度の有酸素運動がおすすめです。ウォーキングや水泳など、自分に合った運動を見つけてください。

肥満対策も忘れずに。肥満は乳がん再発のリスク因子の1つです。適正体重を維持するよう心がけましょう。無理なダイエットは禁物。ゆっくりと着実に体重を落としていくのが理想的です。

最後に、禁煙の必要性について触れておきます。喫煙は乳がんだけでなく、多くのがんのリスクを高めます。健康のために、ぜひ挑戦してみてください。

薬物療法による乳がん再発予防

薬物療法は乳がんの再発予防に重要な役割を果たします。がんのタイプや進行度に応じて、適切な治療法が選択されます。

ホルモン療法は、ホルモン受容体陽性の乳がんに効果的です。エストロゲンの働きを抑えることで、がん細胞の増殖を防ぎます。タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬が代表的な薬剤です。5年以上の長期投与が推奨されることもあります。

HER2陽性乳がんには、抗HER2療法が有効です。トラスツズマブ(ハーセプチン)などの薬剤が使われます。HER2タンパク質の働きを阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。通常、1年間の投与が標準的です。

化学療法(抗がん剤)は、がん細胞の増殖を抑える強力な治療法です。再発リスクが高い患者さんに推奨されます。副作用の心配もありますが、最近は副作用対策も進んでいます。

新しい分子標的薬も注目されています。CDK4/6阻害薬やPARP阻害薬など、がん細胞の特定の分子を標的にした薬剤が開発されています。これらは従来の治療法と組み合わせて使用されることが多いです。

定期的な検診と自己検診の重要性

乳がんの早期発見には、定期的な検診と自己検診が欠かせません。両者を組み合わせることで、発見の確率が高まります。

国の対策型検診では、40歳以上の女性に2年に1回のマンモグラフィ検査をすすめています。しかし、より早期の発見を目指すなら、年1回の受診がおすすめです。35歳以上の方は、マンモグラフィと超音波検査の併用が効果的でしょう。

自己検診は月1回行うのが理想的です。生理が終わって4〜7日後が最適なタイミングでしょう。閉経後の方は、毎月決まった日に行いましょう。

自己検診の方法は簡単です。まず、鏡の前で両腕を上げ下げし、乳房の形や大きさの左右差、皮膚のへこみなどを観察します。次に、お風呂で石鹸を泡立て、指の腹で乳房全体を触ります。「の」の字を描くように、乳頭から外側に向かって丁寧に。最後に、仰向けになって同様の触診を行います。

不安に思う変化があれば、すぐに専門医に相談してください。自己検診で全ての乳がんが見つかるわけではありませんが、早期発見の大切な手段の1つです。定期検診と合わせて、ぜひ習慣にしてください。

乳がん再発予防のための心のケア

乳がん再発予防には、心のケアも欠かせません。ストレス管理とサポートグループの活用が効果を期待できます。

まずはストレス管理の重要性について考えてみましょう。過度のストレスは免疫機能を低下させ、再発リスクを高める可能性があります。ストレス解消法は人それぞれ。瞑想やヨガ、趣味の時間を持つなど、自分に合った方法を見つけることが大切です。

適度な運動も効果的です。ウォーキングや軽いジョギングなど、体を動かすことでストレス解消になります。同時に、体力向上や免疫力アップにもつながります。十分な睡眠も忘れずに。質の良い睡眠は、心身のリフレッシュに不可欠です。

次にサポートグループの活用も検討してみてください。同じ経験をした仲間との交流は、心強い支えになります。悩みや不安を共有し、前向きな気持ちを取り戻せるでしょう。

オンラインのサポートグループも増えています。自宅から参加できるので、便利です。ただし、信頼できる団体が運営するものを選びましょう。家族や友人のサポートも大切です。気持ちを打ち明けられる人を見つけておくと安心です。

乳がんの再発防止に努めましょう

乳がんの再発予防は、身体と心の両面からのアプローチが大切です。適切な食事や運動、禁煙などの生活習慣の改善、定期的な検診と自己検診の習慣化、そして必要に応じた薬物療法がポイントです。

これらに加えて、ストレス管理やサポートグループの活用など、心のケアも忘れずに。1つひとつの取り組みは小さくても、それらを積み重ねることで大きな力となります。

再発への不安は自然なものですが、それに支配されることなく、前向きに生活していくことが大切です。医療スタッフや周囲の支えを借りながら、自分らしい再発予防の方法を見つけていきましょう。

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