大腸がん再発予防のための免疫治療

本ページは、一般的な内容を基に作成していますが、個々の症状や治療法には違いがありますので、具体的な治療については必ず専門の医師やクリニックにご相談ください。

大腸がんの再発は、多くの患者にとって大きな不安要素です。

手術後に再びがんが発生するリスクをどう減らすか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

再発を防ぐためには、適切な治療と経過観察が不可欠です。

本記事では、大腸がんの再発予防に役立つ免疫治療を中心に具体的な治療法やその効果、副作用への対策について詳しく解説します。

目次

大腸がんの再発の概要

大腸がんの再発とは、手術でがんを取り除いた後に再びがんが発生することを指します。

再発は手術後数か月から数年後に発生することがあり、特に手術後3年〜5年以内に発見されることが多いです。

再発にはがんが元の場所に戻る「局所再発」、他の臓器に転移する「転移再発」、腹膜に広がる「腹膜再発」の3つのパターンがあります。

大腸がんの再発の原因

ここからは、大腸がん再発の原因を解説していきます。

また、再発率についても紹介します。

大腸がんの再発率と影響

大腸がんの再発率は、がんの進行度や治療後の経過観察の質によって異なります。

例えば、ステージIの大腸がんでは再発率は約5%ですが、ステージIIIになると約30%に上昇します。

再発が確認された場合、5年生存率が大幅に低下して治療も難しくなります。

再発後の治療は、しばしば手術、化学療法、放射線療法の組み合わせが必要となり、患者の生活の質にも影響を及ぼすでしょう。

参考:大腸癌研究会

再発の原因

再発の原因は主に以下の2つの原因があります。

微小ながん細胞の残存

手術や治療で目に見えるがんを全て取り除いたとしても、微小ながん細胞が体内に残ることがあります。

完全に取り除けなかったがん細胞が、時間をかけて増殖し、再発を引き起こします。

血管やリンパ管を通じた転移

がん細胞は血管やリンパ管を通じて体内を移動し、他の臓器や組織に転移することがあります。

これを「転移」と呼びます。

大腸がんの場合、肝臓や肺への転移が一般的です。

転移したがん細胞が新しい場所で増殖し、再発を引き起こします。

これが「遠隔転移再発」と呼ばれるものです。

また、腹膜にがん細胞が広がる「腹膜播種」も再発の一形態です。

参考:再発、転移とは

再発予防のための治療法

大腸がんの再発予防のための治療法を解説します。

手術後の経過観察と検査

手術後の経過観察は再発予防において非常に重要です。

定期的な検査を受けることで、再発を早期に発見し、迅速な対応が可能となります。

具体的には、腫瘍マーカー検査やCT検査が行われます。

腫瘍マーカー検査は血液中の特定の物質を測定し、がんの再発や進行を監視します。

CT検査は体内の詳細な画像を提供し、再発したがんの位置や大きさを把握するのに役立ちます。

これらの検査を定期的に行うことで、再発の兆候を早期に捉え、適切な治療を迅速に開始することが可能です。

補助化学療法

補助化学療法は手術後に行われる治療で、がんの再発リスクを低減する目的で使用されます。

化学療法の役割は、手術で取り切れなかった微小ながん細胞を破壊し、再発を防ぐことです。

具体的な薬剤としては、フルオロウラシル(5-FU)やオキサリプラチンが使用されます。

これらの薬剤は、がん細胞の増殖を抑える効果があります。

しかし、化学療法には副作用も伴います。

主な副作用として、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、手足のしびれ(手足症候群)などがあります。

副作用を軽減するためには、抗吐気薬の使用や食事の工夫、適度な休息が推奨されます。

また、副作用が強い場合は、医師に相談して治療計画を見直すことも重要です。

放射線治療

放射線治療は、主に直腸がんの再発予防に使用されます。

放射線治療の適応は、手術前後の補助療法として行われることが多いです。

手術前に行うときは、腫瘍を小さくし、手術をしやすくする効果があります。

手術後に行う場合は、残存するがん細胞を破壊し、再発を防ぐ目的で使用されます。

放射線治療の副作用には、だるさ、吐き気、嘔吐、皮膚炎、白血球減少などがあります。

副作用は治療期間中に発生することが多く、治療終了後に改善することが一般的です。

副作用を軽減するためには、治療中の適切な栄養管理や休息が重要です。

また、放射線治療後に発生する晩期合併症として、腸管や膀胱からの出血や炎症が挙げられます。

合併症に対しても、定期的なフォローアップと適切な対策が必要です。

参考:九州大学病院 がんセンター

大腸がんの免疫治療

免疫治療の具体的な手順

大腸がんの免疫治療では、主に免疫チェックポイント阻害薬が使用されます。

治療の流れは以下のようになります。

治療の流れ
  1. 治療前の検査(血液検査、画像診断など)
  2. 免疫チェックポイント阻害薬の点滴投与
  3. 副作用のモニタリングと管理
  4. 定期的な効果判定(CT検査など)

この治療法では、患者さんの血液から免疫細胞を直接採取する必要はありません。

代わりに、薬剤を点滴で投与します。

治療は通常2〜3週間おきに行われ、数カ月から1年以上続くこともあります。

参考:国立がん研究センター 東病院

免疫治療の効果

大腸がんの免疫治療では、特にマイクロサテライト不安定性(MSI)について効果が期待できます。

ペムブロリズマブという薬剤を使用した試験では、MSI-Highの大腸がん患者の効果が持続していました。

しかし、免疫治療にも限界があります。MSI-Highの大腸がんは全体農地でも少数で、残りの患者さんでは効果が限定的です。

また、自己免疫反応による副作用や、高額な治療費も課題となっています。

今後は、より多くの患者さんに効果のある治療法の開発や、副作用の管理方法の改善が期待されます。

大腸がんの再発予防に努めよう

大腸がんの再発予防には、定期的な検査と適切な治療が欠かせません。

手術後の経過観察や補助化学療法、放射線治療、そして免疫治療を組み合わせることで、再発リスクを最小限に抑えることが可能です。

再発のリスクを減らすためには、医師との密なコミュニケーションと、自己管理が重要です。

積極的に再発予防に取り組みましょう。

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