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ビタミンCは天然の抗がん剤?働きや摂取量などを解説
ビタミンCは私たちの健康にとって不可欠な栄養素であり、その効果は多岐にわたります。この記事では、ビタミンCの基本的な働きや、特にがん治療におけるその役割と安全性に焦点を当てて解説していきます。
高濃度ビタミンC点滴療法の可能性、適切な摂取量や副作用についても解説しますので、参考にしてください。
ビタミンCとは
まずは、ビタミンCの特徴などを解説します。
ビタミンCの働きと体内での役割
ビタミンCは、コラーゲンの合成に不可欠な栄養素であり、皮膚や骨、血管など体の多くの部分で細胞と細胞をつなげる役割を担っています。さらに、ビタミンCは鉄の吸収を促進し、免疫力の強化も手助けします。
体内に侵入したウイルスや細菌と戦う白血球やリンパ球にも多く含まれており、これらが発生させる活性酸素の過剰生成を抑える抗酸化作用も持っています。また、ストレスに対する抵抗力を高めるアドレナリンの生成にも必要です。
ビタミンCの日常的な摂取源
ビタミンCは、アセロラやグァバ、キウイフルーツ、かき、いちごなどの果物に豊富に含まれています。野菜では、赤ピーマン、ブロッコリー、キャベツなどが良い摂取源です。
じゃがいもやさつまいもなどのでんぷん類にもビタミンCが含まれています。ただし、ビタミンCは水溶性で熱に弱いため、調理時はビタミンCの損失を最小限に抑えることが重要です。
高濃度ビタミンC点滴療法について
医療の現場では高濃度ビタミンC点滴を用いることがあります。高濃度ビタミンC点滴療法は、がん治療において様々な効果が期待されている治療法です。
この療法は、高濃度のビタミンCを静脈内に直接注入することで、がん細胞に対する攻撃効果を期待します。通常の化学療法とは異なり、正常細胞にダメージを与えることが少ないとされています。
また、がん治療の副作用を軽減し、生活の質(QOL)の維持を目的としています。さらに、がんの種類を選ばず、様々ながんに対して効果が期待できるとされています。この治療法は、アメリカで確立され、日本でも一部の医療機関で行われています。
効果と適応疾患
高濃度ビタミンC点滴による治療では、がんの痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの症状改善、免疫力の強化、がん細胞の進行抑制などが期待できます。
また、適応疾患としては下記が挙げられます。
- 胃がん
- 大腸がん
- 直腸がん
- 肝臓がん
- 膵臓がん
- 腎臓がん
- 肺がん
- 脳腫瘍
- 前立腺がん
- 乳がん
- 子宮がん
- 卵巣がん
- 膀胱がん
- 白血病
- 多発性骨髄腫
- 悪性リンパ腫 など
上記のように、高濃度ビタミンC点滴は幅広い疾患で採用されます。
副作用と注意点
高濃度ビタミンC点滴は副作用や注意点もあります。副作用としては、まれに腫瘍からの出血やみせかけの高血糖、尿管結石などがあります。
また、特定の遺伝的疾患(G6PD欠損症)を持つ方、心不全、腎不全、大量の腹水、強い浮腫を持つ方は治療を受けられない場合があります。
高濃度ビタミンC点滴のメリット・デメリット
高濃度ビタミンC点滴のメリットとデメリットをまとめました。まずはメリットをご覧ください。
- 免疫力の強化: 白血球の働きを活性化させ、免疫機能の向上。
- がん予防: 抗酸化作用により活性酸素の増加を防ぎ、がんの予防の効果
- 動脈硬化の予防: コレステロールの排出を促し、動脈硬化を予防
また、デメリットは下記が挙げられます。
- 費用が高い: 保険適用外であり比較的高額になりやすい
- 施術部位の痛み: 点滴の注射に伴う痛みや血管痛が起こる場合がある
この治療法の適用は、個々の患者の状況や医師の判断に基づきます。治療を受ける前には、医師と十分な相談を行い、リスクやメリットを理解することが重要です。また、適切な医療機関での施術を選ぶことも大切です。
ビタミンCの抗がん作用
ビタミンCにはがん細胞を攻撃する効果があるとされていますが、その効果についてはまだ十分な科学的データが得られていません。
一部の報告では、ビタミンCと過酸化水素ががん細胞がん細胞を除去する効果が示唆されていますが、これらの効果が全てのがんに等しく効果があるわけではなく、臨床試験でさらに検証する必要があります。
特に注目されているのが、高濃度ビタミンCによるがん転移の抑制メカニズムです。ビタミンCの還元型(RVC)は血液を循環する転移がん細胞に対して強い抑制作用を持ち、がん転移の段階で有効であることが示唆されています。
ビタミンC療法は、抗がん剤や放射線療法と併用でき、これらの副作用を軽減する可能性もあります。また、がん治療による全身状態の悪化を防ぐ効果や、疼痛緩和の効果も臨床的に確認されています。
しかし、ビタミンCの大量投与に関しては、まだ決定的な証拠がないとされており、その効果や安全性についてはさらなる研究とデータが必要です。
以上の情報を基に、ビタミンCに関する抗がん作用は一定の可能性を持ちながらも、まだ確定的な結果は得られていないというのが現状です。
ビタミンC摂取の摂取量と注意点
ビタミンCを摂取する際は、摂取量を守ることが求められます。ここからは、ビタミンCの摂取量と副作用について解説します。
推奨される摂取量
食事からの摂取では、成人の場合、1日あたり90㎎(男性)か75㎎(女性)の摂取が推奨されています。喫煙者や副流煙にさらされている人は、非喫煙者よりもビタミンCを1日につき35mg多く摂取する必要があります。
摂取時の注意点
ビタミンCを摂取するときは、次の点に注意してください。
- ビタミンCの摂りすぎ: ビタミンCを過剰に摂取した場合には、腹痛や下痢といった胃腸の不調が生じる可能性がある。
- 鉄過剰症: ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を促進するため、鉄過剰症のリスクが高い人は注意が必要。過剰な鉄の蓄積は、心臓、肝臓、膵臓などにダメージを与えることがある。
- 腎臓結石: 過剰なビタミンCの摂取は、尿中のシュウ酸塩を増加させ、腎臓結石のリスクを高める可能性がある。
上記の注意点を確認し、過剰摂取には気をつけましょう。
ビタミンCの働きや効果を確認しよう
ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、免疫力の向上に寄与し、抗酸化作用で細胞を保護するなど、健康維持に重要な役割を果たします。
がん治療においても、高濃度ビタミンC点滴療法が新たな治療選択肢として期待されていますが、その効果と安全性については、今後の研究でさらに明らかになることが期待されます。