がん種のステージ別の10年生存率一覧!10年生存率の意味からわかりやすく解説

「がん種のステージ別の10年生存率ってどれくらいなの?」

「10年生存率の意味を知りたい」

このように悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

がん種のステージ別の10年生存率は、がん種別ごとに大きく異なっているのが特徴です。

例えば甲状腺がんはステージ4でも81.8%と高い生存率がありますが、乳がんはステージ4だと19.4%とかなり低い傾向にあります。

参照:がん情報サービス

がんごとの生存率を知っておくことで、よりがんに対する理解度を深められるでしょう。

今回の記事ではがん種のステージ別の10年生存率一覧について、詳しく解説します。

10年生存率の意味からわかりやすく解説しているので、参考にしてみてください。

目次

がんの10年生存率の意味とは? 

がんの10年生存率とは、がんが治ったことを示すデータです。

がんは、治療後5年間で死亡しなかった時、初めて治ったとみなされます。

また、がんの10年生存率には「実測生存率」「相対生存率」の2つの考え方があります。

より理解度を深めるために、1つずつ意味を確認していきましょう。

実測生存率

実測生存率は、実際に診療した患者の生存割合を示します。

がんだけではなく、すべての死亡を計算に含めているのが特徴です。

がん診療連携拠点病院などの施設で初回治療を受けた患者が対象となっており、疾病経過の1つの見通しとされています。

ただし、あくまでも平均的な数値なので、個々の例に必ず合致するとは限りません。

相対生存率

相対生存率とはがん患者集団の実測生存率を、患者集団と同じ性、年齢で構成される集団の期待生存率で割って算出する生存率を指します。

相対生存率の計算では、がん対策情報センターが作成する一般集団の生存確率を用いて計算されているのが特徴です。

同じ性、年齢であっても、患者さんの身体に関する背景事情が異なる集団において算出される場合があります。

そのため、がん以外の死因の影響を完全には取り除けないのが難点です。

全体のがん10年後の生存率は60.2% 

2009年にがんと診断された人の10年後の生存率は60.2%で、2008年の59.4%から0.8%向上しています。

院内がん登録生存率集計結果閲覧システムで、10年生存率を検索して閲覧できるようになったため今後はさらにデータを確認しやすくなるでしょう。

院内がん登録開始初期のデータなので精度に課題がありますが、今後のデータ蓄積でさらに精度が向上するという予想が出ています。

参照:国立がん研究センター

がん種のステージ別の10年生存率一覧 

がん種のステージ別の10年生存率一覧は、以下の通りです。

  1. 前立腺がん
  2. 甲状腺がん
  3. 女性の乳がん
  4. 子宮体がん
  5. 腎臓がん
  6. 子宮頸がん
  7. 喉頭がん
  8. 大腸がん
  9. 胃がん
  10. ぼうこうがん

がんのステージ別の生存率、特徴について詳しく見ていきましょう。

参照:がん情報サービス

前立腺がん

前立腺がんの相対生存率は、ステージ別で以下の通りです。

ステージ1100%
ステージ2100%
ステージ3100%
ステージ447.6%
全体100%

前立腺がんは男性にのみ発生するがんで、相対生存率は高い傾向にあります。

自覚症状が出づらいですが進行が遅い傾向にあるので、定期的な検査で発覚することも多いです。

ただし、ステージ4になると生存率が47.6%と一気に下がります。

肺、肝臓や骨に転移することもあるので、定期的な検査で進行する前に対処できるようにしましょう。

甲状腺がん

甲状腺がんの相対生存率は、以下の通りです。

ステージ1100%
ステージ294.5%
ステージ399.2%
ステージ481.8%
全体94.9%

甲状腺がんは、甲状腺の一部に悪性の腫瘍ができるがんを指します。

基本的にはしこりがでてくるので、比較的早期に気づきやすく生存率が高いとされています。

ただし、甲状腺がんの発症原因は不明とされており、予防が難しいがんです。

健康診断や定期的な検査で甲状腺に異常がないか、確認しましょう。

乳がん(女性)

女性の乳がんのステージ別相対生存率は、以下の通りです。

ステージ199.0%
ステージ290.7%
ステージ368.6%
ステージ419.4%
全体87.8%

女性の乳がんは罹患率が高い傾向にありますが、胸のしこりや分泌物など初期症状がわかりやすいという特徴があります。

早期に発見することができれば、完治も可能です。

ただし、ステージが進むと転移の可能性もあるため、定期的な検査で異常がないか確かめておく必要があります。

子宮体がん

子宮体がんにおけるステージ別の相対生存率は、以下の通りです。

ステージ195.3%
ステージ287.4%
ステージ369.2%
ステージ417.6%
全体83.0%

子宮体がんは女性のみがかかるがんで、子宮体部に発生します。

子宮頸部にできる「子宮頸がん」とは別のがんなので、混同しないように注意が必要です。

子宮体がんで最も多い初期症状は出血とされており、月経ではない期間や閉経後に不正出血が続く場合は子宮体がんの可能性があります。

他にも性交時の痛み、下腹部の痛みなどを感じる場合は検査を受けて、がんの可能性がないかチェックしてみましょう。

腎臓がん

腎臓がんのステージ別の相対生存率は、以下の通りです。

ステージ190.3%
ステージ279.2%
ステージ364.8%
ステージ410.8%
全体73.7%

腎臓がんとは、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍と化したものを指します。

腎臓がんは初期症状が出づらく、他のがん検査などで発見されるケースが多いです。

血尿、お腹のしこりなどが出た場合はすぐに近くの病院で検査を受けましょう。

また、腎臓がんの主な原因は、喫煙と肥満とされています。

禁煙と生活習慣の見直しで予防できるので、改善に努めましょう。

子宮頸がん

子宮頸がんのステージ別相対生存率は、以下の通りです。

ステージ193.1%
ステージ271.8%
ステージ354.4%
ステージ420.7%
全体70.5%

子宮頸がんは子宮体がんとは異なり、子宮頸部にできるがんを指します。

子宮頸がんは正常な状態からすぐがんに移行するのではなく、がんになる前の状態を何年か経てから発症するのが特徴です。

いわゆる異形成の時期と呼ばれており、おりものや出血、痛みがないため進行に気づかない場合があります。

ステージ4に関しては20.7%の相対生存率なので、なるべく早期に進行を食い止めることが重要です。

子宮頸がんは初期症状では気づきづらいので、定期検査を受けて予防に努めましょう。

喉頭がん

喉頭がんのステージ別相対生存率は、以下の通りです。

ステージ188.1%
ステージ273.4%
ステージ359.1%
ステージ434.8%
全体69.3%

喉頭はいわゆるのどぼとけ付近にある器官を指し、その部分にできるがんです。

声を出すために必要な声門の上部、下部にできるケースが多いとされています。

咽頭がんの主な発生原因は喫煙と飲酒とされており、比較的簡単に予防可能です。

禁煙、禁酒を心がけることで、喉頭がんの発生リスクを抑えられます。

特に喫煙と飲酒の両方をしている方は発症するリスクが高まるので、早期に予防しましょう。

大腸がん

大腸がんのステージ別相対生存率は、以下の通りです。

ステージ192.6%
ステージ283.4%
ステージ370.1%
ステージ412.7%
全体67.5%

大腸がんとは大腸(結腸・直腸)に、腺腫という良性のポリープができ、がん化したものを指します。

早期では症状がなく、進行して初めて症状が出る場合が多いのが難点です。

ステージ4まで進むと、12.7%と一気に生存率が落ちるため早期の対策が求められます。

便に血が混じる血便が出た場合は、大腸がんの可能性が高いとされています。

普段の排泄で血便が出た場合は、すぐに検査を受けて状態を確かめましょう。

胃がん

胃がんのステージ別相対生存率は、以下の通りです。

ステージ191.3%
ステージ257.8%
ステージ336.6%
ステージ46.6%
全体66.8%

胃がんは、胃壁の内側にある粘膜の細胞ががん化した状態を指します。

早期で自覚症状が出づらく、気づかない間に進行しているケースがあるので注意が必要です。

胃がんの原因としてはピロリの感染や喫煙、高塩分食品の継続的な摂取が挙げられます。

ピロリの感染以外は、普段の生活習慣を見直すことで十分に改善が可能です。

ステージ3で36.6%、ステージ4で6.6%と一気に生存率が下がるため普段の予防に努めましょう。

ぼうこうがん

ぼうこうがんのステージ別生存率は、以下の通りです。

ステージ181.0%
ステージ252.7%
ステージ336.2%
ステージ415.2%
全体62.4%

ぼうこうがんは膀胱にできるがんのことで、ステージ1から81.0%と低い生存率を示しています。

ぼうこうがんの初期症状のほとんどは、尿に血液が混じる血尿です。

血尿が出た場合は、早期にぼうこうがんの検査を受ける必要があります。

ぼうこうがんには明確な予防法はありませんが、普段の生活や運動習慣を改善することでリスクを抑えられるとされています。

不摂生を極力抑えて、健康的な生活を送りましょう。

まとめ

がんによって生存率は大きく異なる場合があり、ステージが進行してしまうとほぼ助からないケースがあります。

特に初期症状がわかりづらいがんにかかってしまうと、いつの間にかステージが進行している場合もあるでしょう。

がんの予防に努めることも大切ですが、定期的な検診を受けることで早期の発見や対処が可能です

自分の健康状態にかかわらず、まずは一度がん検査を受けて異常がないかチェックしましょう。

  • URLをコピーしました!
目次